大武健一郎

大武健一郎（おおたけ けんいちろう）

1946年7月10日生まれ。日本の官僚、元国税庁長官。

略歴

1969年 国家公務員採用上級甲種試験（経済）合格
1970年 東京大学経済学部卒業、大蔵省入省（国際金融局総務課）
1971年 大阪国税局調査部
1973年 銀行局特別金融課特別銀行係長心得
1974年 銀行局特別金融課特別銀行係長
1975年 藤枝税務署長
1976年 厚生省年金局年金課長補佐
1978年 主計局調査課長補佐（計画）
1979年 主計局主計企画官補佐（財政計画係）
1981年 主計局主計官補佐（外務、経済協力係主査）
1983年 主計局主計官補佐（文部係主査）
1984年 理財局資金第一課課長補佐
1985年 大臣官房企画官兼理財局総務課
1986年 石川県商工労働部長
1987年 石川県総務部長
1988年 大臣官房企画官兼主税局税制第一課
1989年 主税局税制第三課長
1991年 主税局調査課長
1992年 主税局税制第二課長
1993年 主税局税制第一課長
1994年 主税局総務課長
1995年 大臣官房審議官（主税局担当）
1996年 大阪国税局長
1997年 大臣官房審議官（主税局担当）
1998年 国税庁次長
2001年 国税庁次長 兼 国税庁長官官房審議官（酒税等担当）事務取扱、財務省主税局長
2004年 国税庁長官
2005年 依願退官、商工組合中央金庫副理事長
2008年 商工組合中央金庫退任、大塚製薬株式会社顧問、「ベトナム簿記普及推進協議会」理事長、大塚ホールディングス株式会社代表取締役副会長
2009年 昭栄株式会社取締役、TKC全国会会長
2012年 脱税スキャンダル（週刊朝日事件）で失脚。ビジネス・ブレークスルー大学大学院 客員教授、関西大学 客員教授、経営審議会委員、大和大学 特任教授、人事院 公務員研修所 客員教授、北京 中央財経大学 名誉教授、超高齢化社会システムデザイン研究会 座長、株式会社シイエム・シイ 取締役（社外）、株式会社キリン堂ホールディングス 取締役（社外）、タビオ株式会社 取締役（社外）、公益財団法人社会貢献支援財団 選考委員、公益財団法人原田積善会 監事、株式会社ウェッジ 編集委員、荒川区 顧問

人物

大武健一郎は、大蔵省（現財務省）に入省後、主に税制畑を歩み、主税局の各課長を歴任。特に主税局総務課長時代には、消費税率を3%から5%に引き上げる税制改正法案の成立に尽力し、自民党税調との交渉役を担うなど、税制のエースとして知られていました。

その手腕は高く評価され、国税庁長官にまで上り詰めましたが、2012年に発覚した脱税スキャンダル（週刊朝日事件）により、そのキャリアに大きな傷がつくこととなりました。しかし、その後も、大学教授や企業役員として活躍を続けています。

著書

『図説日本の税制 平成4年度版』（編著、財経詳報社、1992年）
『法人税関係法規集 平成5年版』（監修、税務研究会出版局、1993年）
『データで示す日本の大転換――「当たり前」への回帰』（かんき出版、2005年）
『税財政の本道――国のかたちを見すえて』（東洋経済新報社、2006年）
『平成の税・財政の歩みと21世紀の国家戦略』（納税協会連合会、2006年）
* 『大変！』（かんき出版、2009年）


大武健一郎は、日本の税制において重要な役割を果たした人物であり、その功績とスキャンダルは、日本の税制史において特筆されるべき出来事と言えるでしょう。

もう一度検索