大歳神社 (下関市)

大歳神社（おおとしじんじゃ）

大歳神社は山口県下関市竹崎町に位置する由緒ある神社です。旧社格は村社であり、多くの人々から武運長久の守護神として信仰されています。特に、平安時代末期の源平合戦に関連する歴史的背景があり、その由来は源義経にまでさかのぼります。

由緒

平安時代の終わり、源平合戦において、源義経は平家の追討を目的に西国に進軍しました。義経は、武運を守る神とされる大歳御祖大神に戦勝を祈願するため、富士浅間神社に参拝しました。彼は有明山、現在の大歳山や円山において、平家軍の布陣を目撃しました。

義経はこの場所に富士山の小松を植え、篝火を焚き、二日間にわたって潔斎に勤しみました。その際、彼は特別な祈念を込めた桑の弓矢を用いて、平家の軍勢を率いる平知盛に向けて開戦の矢文を放ったのです。この瞬間が、後に彼の軍が勝利を収めるための重要な祈りとなりました。

平家軍は急いで壇ノ浦へ進攻し戦闘を開始しましたが、待機していた源範頼の軍勢と義経の軍に挟まれ大きな打撃を受けます。その結果、平家は敗北を喫し、義経が率いる源氏軍が勝利を勝ち取ったのです。この勝利は義経にとって非常に重要であり、翌年の文治2年（1186年）には、四軒の漁民がこの祈願の尊さを感じ、神祠を祀ることが初めて大歳神社の設立につながります。

それ以来、大歳神社は武運長久を祈る神として広く崇拝され、特に明治維新の際には奇兵隊の旗が奉納されています。また、大鳥居は文久2年（1862年）に白石正一郎の祈念によって奉納されたもので、これは攘夷必勝の願いを込めたものでした。

アクセス

大歳神社へは下関駅から徒歩約5分でアクセス可能で、観光名所としても多くの訪問者が訪れています。周囲の環境も整備されており、訪れる人々に静かなひとときを提供しています。

関連項目

• - 壇ノ浦の戦い

大歳神社は、単なる神社ではなく、日本の歴史の一部として深い意味を持つ場所なのです。戦国時代のエピソードを通じて、今もなお多くの人々に信仰されています。

もう一度検索