近江神宮

近江神宮について

近江神宮は、滋賀県大津市に鎮座する神社で、天智天皇を主祭神としています。旧社格は官幣大社であり、現在は神社本庁の別表神社、勅祭社として、特別な地位を有しています。この地は、かつて天智天皇が飛鳥から遷都した近江大津宮の所在地と推定されており、そのゆかりの地に神宮が創建されました。

歴史

1908年、大津市制10周年を記念して、天智天皇を祀る動きが起こり、1938年に昭和天皇の勅旨により、官幣大社「近江神宮」の創建が決定しました。1940年には社殿が完成し、鎮座祭が執り行われました。太平洋戦争後、1945年には昭和天皇の勅旨により、戦後復興を祈願する勅祭社に定められました。1948年には神社本庁の別表神社に加列され、現在に至ります。

例祭は、大津宮への遷都を記念する4月20日に行われ、勅使が参向します。その他、6月10日の漏刻祭、7月7日の燃水祭、11月7日の御鎮座記念祭、12月1日の初穂講大祭、1月のかるた祭など、多くの祭典が執り行われています。また、かつて11月3日に行われていた流鏑馬神事は、2015年より6月第1日曜日に変更されました。

天智天皇と時計、そして百人一首

近江神宮は、日本で初めて水時計（漏刻）を設置した天智天皇を祀る神社として、時の記念日には漏刻祭が開催され、境内には日[[時計]]や漏刻のレプリカが設置されています。また、時計館宝物館では、国内外の貴重な時計が展示されており、時計の歴史に触れることができます。

さらに、百人一首の第1首目を詠んだ天智天皇にちなみ、毎年1月には競技かるたの日本一を決める名人位・クイーン位決定戦が行われます。この神宮は、競技かるたを題材とした漫画・アニメ・映画『ちはやふる』の舞台にもなっており、競技かるたファンにとっては聖地となっています。

境内には、天智天皇の歌碑をはじめ、柿本人麻呂、高市黒人、弘文天皇、芭蕉、保田與重郎など、多くの歌人や文化人の歌碑・句碑が建立されています。

1975年には昭和天皇と香淳皇后、1994年には天皇明仁と皇后美智子が参拝に訪れており、皇室とも縁が深い神社です。

境内

近江神宮の境内には、本殿、内拝殿、外拝殿、内院回廊、北神門、神楽殿など、多くの建物が登録有形文化財に指定されています。本殿は「近江造」と呼ばれる独特の様式で建てられています。

また、1963年に建てられた時計館宝物館では、世界の時計約2300点が展示されており、時計の歴史や文化を学ぶことができます。漏刻や火時計の復元模型も展示されており、見どころの一つです。自動車清祓所は、旧大津裁判所本館車寄を移築したもので、歴史的な建造物として登録されています。

文化財

近江神宮には、国宝である崇福寺塔心礎納置品や、重要文化財である白磁水注などの貴重な文化財が所蔵されています。これらの文化財は、京都国立博物館や東京国立博物館に寄託されています。

時計館宝物館

時計館宝物館は、1963年に時計歴史館として設立され、その後、時計博物館を経て、2010年に現在の名称となりました。館内には、和時計や懐中時計などの実物時計、近江神宮の歴史に関する資料、そして、曾我蕭白の「紙本墨画淡彩楼閣山水図」（高精度複製品）などが展示されています。開館時間は9時30分から16時30分で、月曜日は休館です。

句碑、歌碑

近江神宮の境内には、芭蕉、天智天皇、横井時常、平田貫一、香川進、山村金三郎、保田與重郎、春日真木子、伊藤香舟女、桂樟蹊子、高市黒人、柿本人麻呂、大友皇子など、多くの歌人や文化人の句碑・歌碑が建立されています。

祭祀

近江神宮では、年間を通じて様々な祭典が行われています。例祭のほか、漏刻祭、燃水祭、御鎮座記念祭、初穂講大祭、かるた祭など、伝統的な祭事が執り行われています。

交通アクセス

近江神宮へのアクセスは、京阪電気鉄道石山坂本線近江神宮前駅から徒歩約10分、またはJR湖西線大津京駅から徒歩約15分です。自動車の場合は、西大津バイパス近江神宮ランプまたは皇子山ランプからアクセスできます。

その他

近江神宮は、滋賀県の神社一覧、ちはやふる、時の記念日など、様々な分野と関連があります。公式サイトやSNSを通じて、最新情報を入手することができます。

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