中井光雄

中井光雄

中井光雄（なかい みつお、1933年11月11日 - 2020年9月7日）は、滋賀県出身の元競輪選手です。選手登録番号は4992。日本[[競輪選手養成所]]創設前に選手登録された期前選手として、黎明期の競輪界を支えました。

競輪選手としての軌跡

1950年7月20日に選手登録し、16歳でデビューを果たした中井は、同世代の松本勝明と共に練習に励み、競輪界のトップ選手へと成長しました。1953年には全国都道府県選抜競輪3000m競走で初優勝を飾り、同年には19歳で全国争覇競輪（現在の日本選手権競輪）を制覇するという偉業を成し遂げました。さらに、1954年からは地元の大津びわこ競輪場で開催された高松宮記念杯競輪で3連覇を達成。この他にも、数々の特別競輪（現在のGI）で優勝しています。

主な優勝記録は以下の通りです。

1953年 第4回全国都道府県選抜競輪 3000m競走
1953年 第8回全国争覇競輪（日本選手権競輪）
1954年～1956年 高松宮同妃賜杯（高松宮記念杯競輪）3連覇
1955年 第9回都道府県選抜競輪 4000m競走
1956年 第11回都道府県選抜競輪 4000m競走
1959年 第4回オールスター競輪

38歳となった1972年にも日本選手権（千葉競輪場）で決勝に進出するなど、長年にわたりトップクラスの実力を維持し続けました。

松本勝明とのライバル関係

中井にとって、松本勝明は単なるライバルではなく、師弟のような特別な存在でした。松本は、当時ホームバンクとしていた京都市営競輪場（通称、宝が池競輪場）近くに居を構え、逢坂山を越えるロードワークを日課としていました。中井は、松本のストイックな姿勢に刺激を受け、共に練習をするようになりました。松本との練習を通じて、中井は身体能力だけでなく精神面も大きく成長し、競輪選手として更なる高みへと駆け上がりました。

中井は、1957年には自転車競技のプロ選手として世界自転車選手権（ベルギー・リエージュ）に出場するなど、国際的な舞台でも活躍しました。しかし、松本勝明が1000勝を達成した1965年から20年後の1985年に1000勝を達成し、通算勝利数でも1341勝の松本に対して1016勝に留まりました。全盛期には中井が松本を上回る成績を収めることも多かったものの、引退までの通算成績では松本に及ばなかったことについて、中井は「落車や失格が重なり、勝ち星を伸ばせなかった。だから若い選手には、完走して着順を残すことの大切さを伝えたい」と語っています。

1989年7月31日に選手登録を消除し、通算戦績は3468戦1016勝でした。

引退後

引退翌年の1990年からは、中井の功績を讃え、S級シリーズ「日本名輪会カップ中井光雄杯」が中井のホームバンクであった大津びわこ競輪場で開催されていました。大津びわこ競輪場の廃止に伴い、2013年からは京都向日町競輪場で開催されています。

2020年9月7日、心不全のため滋賀県大津市内の病院で逝去。享年86歳。

出典

KEIRIN.JP（現役時代戦績 - 1976年以降の記録のみ記載）
月刊競輪2004年6月号「大地に人有り」

関連項目

競輪選手一覧
松本勝明

もう一度検索