大津神社 (羽曳野市)

大津神社の概要

大津神社（おおつじんじゃ）は、大阪府羽曳野市に位置する神社で、村社に格付けされています。式内社の一つであり、その歴史は古く、創建は6世紀の応神天皇の時代に遡るとも言われています。さらに、当社は10世紀初頭に編纂された延喜式神名帳に記載されており、目立った地位を持つ神社として、河内国丹比郡に「大津神社三座鍬・靱」として確認されます。

神社は「丹下の郷の大宮」と名付けられ、地域住民の信仰の中心的存在でした。その当時、この地域には葛井氏、船氏、津氏の三氏が力を持っており、特に津氏が守護神を奉じたことが社の設立背景として考えられています。津氏一族の保護のもと、当社は長い間この地の氏神として尊重されてきました。

時代が進むにつれて、津氏一族は朝廷に取り入れられ大和国に移住し、その結果、当社は九つの村の氏神として認められ、さらに「河内の大宮」とも称されるようになりました。特に中世以降は、仏教の影響を受けて神仏混淆の形態を取り、「牛頭天王社」として親しまれるようになりました。また、境内には真言宗の寺院が造られ、神社の一部として機能するようになりました。

明治時代に入ると、新たな神社制度が導入され、神仏習合が厳しく禁止されました。その結果、南之坊は廃寺となり、1872年（明治5年）には大津神社と改称され、村社として再び認められました。戦後は、神道指令により管理が解除され、1946年に宗教法人としての大津神社が設立され、現在に至っています。

今日、大津神社は羽曳野市の西部や南西部を中心に広く崇敬される氏神です。地域の人々は、厄除開運、縁結び、安産、家内安全、交通安全、そして引越しや住居のリフォームといった祈願のために訪れます。

境内と文化財

神社の境内には、本殿、幣殿、拝殿がある他、摂末社として大宮辯天宮、大宮戎社、大宮稲荷社、平和之社が存在します。特に本殿は羽曳野市指定の有形文化財として保存されており、1640年に再建されています。大宮辯天宮は古くから信仰されていた神社で、八角形の仏教建築が特徴です。

祭事

大津神社では年に二回、大きな祭りが催されます。夏祭りは毎年7月7日と8日に行われ、近隣の家族連れで賑わいます。ただし、2022年からは夏祭りに屋台が出ない決定がなされました。秋祭りは毎年10月7日と8日に実施され、市内向野地区から地車が引かれ、多くの人々が集まります。

アクセス

大津神社は近鉄南大阪線の高鷲駅から徒歩約3分の距離に位置しています。また、近鉄バスの高鷲駅前停留所からも近く、公共交通機関でのアクセスが良好です。

今日でも、静かで落ち着いた雰囲気の中、地域の人々の信仰の対象となっている大津神社は、多くの祈願が込められた場所として大切にされています。

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