土岐郡

土岐郡（ときぐん）

土岐郡は、かつて岐阜県（美濃国）に存在した郡です。1879年（明治12年）に行政区画として発足し、現在の多治見市の一部、土岐市全域、瑞浪市の大部分（陶町各町を除く）にあたる地域を管轄していました。

郡域

1879年（明治12年）の行政区画発足時の郡域は、以下の通りです。

多治見市の一部（土岐川以南および高田町各町・東栄町・東山）
土岐市の全域
瑞浪市の大部分（陶町各町を除く）

歴史

土岐郡の六郷

土岐郡は、以下の六つの郷から構成されていました。

土岐郷
日吉郷：現在の瑞浪市日吉町
駅家郷
楢原郷
(田かんむりに只)味郷：現在の多治見市の土岐川以南
餘戸郷：現在の瑞浪市釜戸町

式内社

延喜式神名帳には土岐郡の式内社の記述がないため、式内社は存在しなかったと考えられています。

帳内社

『美濃国神名帳』には、以下の帳内社の記述があります。

正一位・酒波大神：現在の瑞浪市日吉町南垣外
従五位下・尋河明神：現在の瑞浪市日吉町田高戸にある尋河神社
従五位下・神野明神：現在の瑞浪市土岐町鶴城にある諏訪神社境内の天神社と推定
従五位下・垣野明神：現在の土岐市鶴里町にある白鳥神社の旧郷社と推定
従五位下・高田明神：現在の土岐市泉町にある白山神社と推定
従五位下・(田かんむりに只)味明神：現在の多治見市にある新羅神社と推定
従五位下・大県明神：現在の瑞浪市釜戸町上平にある大縣神社

荘園

土岐郡には、いくつかの荘園が存在していました。

近世以降の沿革

明治初年の支配状況は、「旧高旧領取調帳」に記載されています。幕府領は美濃郡代が管轄していました。

慶応4年（1868年）
4月15日：幕府領・旗本領が笠松裁判所の管轄となる。
閏4月25日：笠松裁判所の管轄地域が笠松県の管轄となる。
明治初年：領地替えにより、幕府領の一部が岩村[[藩]]領、名古屋藩領の一部が笠松県の管轄となる。
明治4年（1871年）
7月14日：廃[[藩置県]]により、藩領が名古屋県、岩村県となる。
11月22日：第1次府県統合により、全域が岐阜県の管轄となる。
明治5年（1872年）5月：一日市場村・清水村・市原村・大草村が神箆村に合併。
明治7年（1874年）9月：宿村が釜戸宿村に改称。
明治8年（1875年）1月：各村の統合が行われる。
日吉村 ← 半原村、本郷村、深沢村、平岩村、宿洞村、白倉村、田高戸村、松野村、宿村、北野村、細久手村、志月村、南垣外村
小里村 ← 羽広村、須之宮村、小里村
土岐村 ← 猿子村、神箆村
釜戸村 ← 釜戸宿村、公文垣内村、中切村、大島村、上平村、荻島村、平山村
明治12年（1879年）2月18日：郡区町村編制法の岐阜県での施行により、行政区画としての土岐郡が発足。郡役所が多治見村に設置。

町村制以降の沿革

明治22年（1889年）7月1日：町村制の施行により、以下の町村が発足。
多治見町（現・多治見市）
笠原村（現・多治見市）
土岐口村、高山村、妻木村、下石村、曽木村、駄知村、河合村（現・土岐市）
寺河戸村、小田村、山田村、土岐村、日吉村、山野内村、戸狩村、月吉村（現・瑞浪市）
鶴里村 ← 柿野村、細野村（現・土岐市）
稲津村 ← 小里村、萩原村（現・瑞浪市）
余戸村 ← 釜戸村、大湫村（現・瑞浪市）
肥田村 ← 浅野村、肥田村（現・土岐市）
泉村 ← 久尻村、大富村、定林寺村（現・土岐市）
明治22年（1889年）11月5日：土岐口村・高山村が合併して土岐津町が発足。
明治29年（1896年）2月14日：多治見町の一部が分立して市之倉村が発足。
明治30年（1897年）
4月1日：山野内村・戸狩村・月吉村・河合村が合併して明世村が発足。寺河戸村・山田村・小田村が合併して瑞浪村が発足。
8月1日：郡制を施行。
明治42年（1909年）10月11日：駄知村が町制施行して駄知町となる。
大正4年（1915年）10月1日：泉村が町制施行して泉町となる。
大正8年（1919年）7月1日：下石村が町制施行して下石町となる。
大正9年（1920年）5月1日：瑞浪村が町制施行して瑞浪町となる。
大正10年（1921年）7月1日：余戸村が分割し、釜戸村と大湫村がそれぞれ発足。
大正12年（1923年）
4月1日：郡会が廃止。郡役所は存続。
10月10日：笠原村が町制施行して笠原町となる。
大正15年（1926年）
4月1日：土岐村が町制施行して土岐町となる。
7月1日：郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
昭和6年（1931年）1月1日：妻木村が町制施行して妻木町となる。
昭和9年（1934年）8月1日：多治見町が可児[[郡]]豊岡町を編入。
昭和15年（1940年）8月1日：多治見町が市制施行して多治見市となり、郡より離脱。
昭和26年（1951年）
3月5日：市之倉村が多治見市に編入。
4月1日：笠原町が多治見市に編入。瑞浪町・土岐町が合併して瑞浪土岐町が発足。
昭和27年（1952年）
4月1日：多治見市の一部が分立して笠原村が発足。
8月1日：笠原村が町制施行して笠原町となる。
昭和29年（1954年）4月1日：瑞浪土岐町・稲津村・釜戸村・大湫村・日吉村および明世村の一部が恵那[[郡]]陶町と合併して瑞浪市が発足し、郡より離脱。明世村の残部が泉町に編入。
昭和30年（1955年）2月1日：土岐津町・妻木町・下石町・鶴里村・曽木村・駄知町・肥田村・泉町が合併して土岐市が発足し、郡より離脱。
平成18年（2006年）1月23日：笠原町が多治見市に編入。同日、土岐郡は消滅。

変遷表

（変遷表は、元の資料を参照してください）

行政

歴代郡長

（歴代郡長の情報は、元の資料を参照してください）

脚注

（脚注は、元の資料を参照してください）

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 21 岐阜県、角川書店、1980年9月1日。ISBN 4040012100。
旧高旧領取調帳データベース
岐阜県市町村合併等経過一覧表 - ウェイバックマシン（2014年8月8日アーカイブ分）、岐阜県地域計画局市町村室
『土岐郡地誌』　土岐郡教育会事務所　昭和8年

関連項目

消滅した郡の一覧

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