大潮 (駆逐艦)

大潮（おおしお / おほしほ）

大潮は日本海軍の朝潮型駆逐艦の二番艦として1937年に竣工しました。この艦は、太平洋戦争の最中において、バリ島沖海戦やガダルカナル島からの撤退作戦など、数段階にわたって重要な戦闘に参加しました。しかし、1943年には輸送船団を護衛中に米潜水艦の攻撃を受け、最終的に沈没する運命を辿りました。

艦歴

太平洋戦争まで

大潮の建造は1935年に始まり、翌1936年に起工、1937年に進水を果たしました。その後、艦は急ぎ艤装工事が行われ、同年の10月に正式に艦籍に登録されました。艦の最高速力は35.98ノットとされ、東京湾の艦隊の一員として運用されることになります。

1938年には佐世保海軍工廠において蒸気タービン機関の改造を受け、1940年には観艦式に参加するなど、活躍の場を広げていきました。1941年には第8駆逐隊に編成され、同艦隊は南方部隊としてマレー作戦やリンガエン湾上陸作戦を支援しました。

太平洋戦争緒戦

1941年12月の太平洋戦争開戦時、名の知れた第8駆逐隊を率いる大潮は、マレー半島やフィリピン方面の作戦に従事しました。特に1942年のバリ島攻略作戦では、第8駆逐隊とともに船団の護衛を行い、その役割を果たしました。

同年、バンダ海峡での戦闘において、大潮は他艦とともに米艦隊に対抗し、相手の駆逐艦を撃沈するなど、顕著な戦績を残しました。その戦闘は「バンダ海峡夜戦」として記録され、山本五十六連合艦隊司令長官からも感状が贈られました。

ガダルカナル島の戦いと沈没

1943年には、ガダルカナル島へのドラム缶輸送作戦に参加します。この作戦は非常に危険な任務であり、多くの艦船が出征しました。しかし、同年の2月20日、大潮はアドミラルティ諸島の沖合で米潜水艦の雷撃を受けてしまいました。魚雷が艦の機械室付近に命中した結果、艦は航行不能となり、荒潮が曳航する事となりましたが、曳航中に船体が断裂し、沈没してしまいました。

歴代艦長

大潮の艦長としては、山代勝守少佐が最初の艤装員長を務めました。その後、様々な指揮官が交代しながら艦の運用を支えました。最も戦局が厳しい時期を生き抜いた艦として、大潮は戦艦の歴史において重要な位置を占めていました。

また、艦名は現在、海上自衛隊の潜水艦「おおしお」として引き継がれています。大潮の歴史は、艦船としての役割だけでなく、多くの艦員の勇気と献身を象徴するものでもあります。

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