大田村 (大分県)

大田村：豊後高田市との合併で消滅した、国東半島に位置する村

はじめに

かつて大分県西国東郡に存在した大田村は、2005年10月1日、杵築市および速見郡山香町との合併により、新設された杵築市に編入され、その歴史に幕を閉じました。国東半島のほぼ中央に位置する内陸地域で、豊かな自然と歴史、そして活気ある地域社会が特徴の村でした。本稿では、大田村の地理、歴史、産業、教育、交通、名所旧跡など、多角的な視点からその概要を紹介します。

地理

大田村は、国東半島のほぼ中央部に位置し、周囲を山々に囲まれた内陸地域でした。穏やかな自然に恵まれ、農林水産業が盛んな地域でした。

歴史

大田村は、1954年10月1日、朝田村と田原村が合併して誕生しました。その後、2005年10月1日、杵築市および山香町との合併によって、新たな杵築市の一部となり、大田村としての歴史に終止符が打たれました。短いながらも、地域住民の努力と工夫により発展してきた歴史を持っています。

産業

大田村の主要産業は、農林水産業でした。特に、平松守彦元大分県知事が提唱した「一村一品運動」に参加し、豊後牛、よもぎ茶、すももなどの特産品を生産することで知られていました。これらの特産品は、地域経済を支え、大田村のブランド力を高める上で重要な役割を果たしました。

教育

教育機関としては、大分県立高田高等学校田原分校、大田村立大田中学校、大田村立朝田小学校、大田村立田原小学校、そして小野分校がありました。これらの学校は、地域の子どもたちの教育を担い、地域社会の将来を担う人材育成に貢献しました。

交通

大田村には、空港や鉄道駅はありませんでした。最寄りの空港は大分空港、最寄りの鉄道駅はJR日豊本線の中山香駅でしたが、村から中山香駅への直通バス路線はありませんでした。バスを利用する場合は、大田村から豊後高田を経由し、宇佐駅で乗り換える必要がありました。主要な交通手段は、大分交通グループのバス路線でした。道路網は、高速道路はなく、最寄りのインターチェンジは大分空港道路杵築インターチェンジでした。一般国道も通っておらず、県道である大分県道31号山香国見線と大分県道34号豊後高田安岐線が主要な道路でした。なお、同村の橋梁群「悠久の時を超え、仏の里の橋めぐり」は、平成3年度手づくり郷土賞（施設部門）を受賞するなど、景観にも配慮した整備がなされていました。

名所・旧跡・祭事

大田村には、白鬚田原神社などの名所旧跡が存在し、地域住民の信仰を集めていました。また、10月17日と18日には、白鬚田原神社で「どぶろく祭り」が開催され、地域全体が活気に満ち溢れていました。

まとめ

大田村は、短い歴史の中で、地域住民の結束と努力により発展を遂げた村でした。「一村一品運動」による特産品の生産や、教育、交通、景観整備など、多岐にわたる取り組みがなされました。その歴史と文化は、合併後の杵築市においても大切に受け継がれていくことでしょう。

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