豊後牛

豊後牛（ぶんごぎゅう）

豊後牛は、大分県で飼育されている黒毛和種の和牛、およびその牛肉のことです。2007年には地域団体商標として登録されています。

概要

大分県産の和牛は、JA全農大分県本部が地域団体商標を持つ「豊後牛」の名称で広く知られています。2007年からは、豊後牛流通促進対策協議会が「The・おおいた豊後牛」の認定を開始しました。

かつては玖珠町の「玖珠牛」、杵築市山香町の「山香牛」、豊後大野市朝地町の「朝地牛」のように、産地ごとのブランド名も存在していました。しかし、2013年4月、豊後牛流通促進対策協議会はブランドを「おおいた豊後牛」に統一することを決定しました。

豊後牛は、全国和牛能力共進会などの品評会で優秀な成績を収めた和牛の血統を受け継いでいると言われています。一定の基準を満たした牛肉のみが「おおいた豊後牛」として認められます。

おおいた豊後牛の基準

黒毛和種であること
大分県内での肥育期間が最も長いこと
生後月齢が36か月未満であること
肉質等級が2等級以上であること

さらに、肉質等級が4等級以上のものは「おおいた豊後牛 極」として販売が開始されましたが、商標登録の問題により、後に「おおいた豊後牛 頂（いただき）」に名称変更されました。

歴史

豊後牛の品質改良は、明治39年に大分県農業技術センター畜産部（現在の大分県農林水産研究指導センター）が開場したことから始まりました。

大正4年（1915年）には、「牛の神様」と称された前田辰雄が大分県畜産主任技師に就任し、豊後牛の改良に尽力しました。その結果、大正10年（1921年）の全国畜産博覧会において、大分県産の種雄牛「千代山号」が最優秀賞の一等一席を受賞し、銀座でパレードが行われたという記録が残っています。

昭和40年代からは飯田高原などで牧草地の開発が進められ、飼養頭数が増加しました。昭和58年（1983年）に生まれた種雄牛「糸福」号は特に優秀で、その産子は約4万頭に上ります。また、平成4年（1992年）には大分県で「第6回全国和牛能力共進会」が開催され、豊後牛の優秀性が広く知られるようになりました。

近年では、2002年の第8回全国和牛能力共進会において、「糸福」の血を引く「寿恵福」が「肉牛の部」で内閣総理大臣賞を受賞しています。

豊後牛肉通行手形

JA全農おおいたでは、豊後牛肉の生産履歴を証明する「豊後牛肉通行手形」を発行しています。この通行手形には、以下の情報が記載されています。

出荷された豊後牛の名前
耳標番号
生年月日
生産者の名前
与えられた飼料
食肉処理を行った場所
BSE検査を行った機関

関連項目

牛肉#ブランド牛肉
日本のブランド牛一覧
地理的表示

外部リンク

大分の逸品「豊後牛」 - 大分県
豊後牛通行手形 - JA全農おおいた
* おおいた豊後牛 - 大分県豊後牛流通促進対策協議会

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