大石駅

大石駅：都賀川を見下ろす、歴史と現代が交差する駅

神戸市灘区船寺通に位置する阪神電気鉄道本線の大石駅（HS 28）は、都賀川上空に伸びる高架駅です。1905年の阪神本線開業と同時に誕生して以来、地域住民の足として、そして歴史の移り変わりを静かに見守ってきました。

歴史を刻む、移り変わる駅の姿

大石駅は、当初現在の場所から約100メートル南、都賀川の西側にありました。1967年の阪神本線の直線化・高架化工事に伴い、現在の位置へ移転。旧駅跡地は現在は公園として整備され、往時の面影を残しています。

開業から現在に至るまで、大石駅は様々な変化を経験しました。山陽電気鉄道からの直通運転開始（1968年）、阪神・淡路大震災による運休と再開（1995年）、山陽電鉄特急の乗り入れ区間短縮（1998年、2001年）、停車する種別変更（急行停車の開始と、優等列車の通過化）など、その歴史は阪神電鉄の歴史そのものともいえます。2014年には駅番号制度が導入され、現代的な駅へと進化を遂げています。

駅構造と利便性

大石駅は、島式ホーム2面4線を有する高架駅です。大阪梅田寄りで都賀川を渡る駅構造は、近隣の武庫川駅、香櫨園駅、芦屋駅と同様に、川上に位置する珍しい駅の1つです。2014年には阪神電鉄で初めてホーム屋根に太陽電池が設置され、環境にも配慮した駅となっています。

改札口は1ヶ所のみで1階にあり、ホームは2階にあります。ホーム有効長は6両編成に対応していますが、近鉄車のような21m級車両には対応していません。待避設備を有していますが、早朝を除き定期列車の待避は行われず、主に山陽車の折返しや回送列車の待避に使用されています。

大阪梅田方面と神戸三宮方面への片渡り線が設置されているため、1～4番線全てから両方向への発車が可能です。ただし、ダイヤが乱れた際には当駅での待避が行われることもあります。

利用状況と周辺環境

大石駅の利用状況は年々変動していますが、2018年度の1日平均乗車人員は4,868人でした。駅周辺には、タクシー乗り場、沢の鶴本社・資料館、西灘公園、船寺八幡宮といった施設に加え、灘税務署、灘郵便局、神戸西郷郵便局などの公共機関、神戸市立西郷小学校、神戸市立原田中学校などの教育機関も立地しています。

金融機関としては、徳島大正銀行神戸支店があります。かつては、大正銀行神戸支店があった場所に、合併後に東神戸支店が設置されていましたが、2020年に三宮にあった神戸支店が移転し、東神戸支店は実質的に廃止されました。また、JR西日本の摩耶駅も比較的近くにあります。

さらに、駅周辺には神戸市バス「阪神大石」停留所（駅南側、旧駅付近）、阪神バス「大石川」停留所（駅北側、国道2号上）があり、公共交通機関のアクセスも良好です。

隣の駅

大石駅の隣駅は、上り方面が新在家駅、下り方面が西灘駅です。直通特急、特急、快速急行は通過しますが、普通電車は全て停車します。

まとめ

大石駅は、都賀川の上にある高架駅というユニークな立地、そして長い歴史の中で変化を遂げてきた歴史、そして周辺地域との密接な関係性を持つ駅です。これからも地域住民の生活に欠かせない存在であり続けるでしょう。

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