大神善吉

大神善吉の生涯

大神善吉（おおがみ ぜんきち）は、1896年6月21日に福岡県福岡市で生まれました。彼は父親の大神鹿吉と母親のイノの間に二男として育ちました。幼少期に父を失った彼は、御供所小学校（現在の福岡市立博多小学校）での学びの傍ら、家計を助けるために野菜の行商を行っていました。

小学校を卒業した後、大神は石屋や大工のもとで修行しましたが、彼の学ぶ意欲は衰えず、上京して苦学の末に1923年、中央大学の経済科を卒業しました。卒業後は品川区会議員として地域の代表として活動し、立憲政友会院外団にも加わるなど、政治活動に積極的に関与していきました。

1938年に兄が亡くなると、福岡県筑紫郡春日村に戻り、家業である地元の土木建設業「大神組」を引き継ぎました。彼は村の警防団長に就任し、1944年には春日村長に選ばれ、1年間の任期を務めました。

戦後、彼の運命は大きく変わります。進駐軍からの施設建設を請け負うことで、巨万の富を築くことに成功しました。この成功が彼の政治活動にも大きな影響を与え、1947年の第23回衆議院議員総選挙において福岡県第1区から無所属で出馬し、見事に当選しました。その後、第一議員倶楽部や社会革新党に所属し、衆議院議員として1期務めました。

しかし、次の選挙ではそれぞれ1949年と1952年に落選し、政治の世界からは姿を消しました。政治活動を退いた後も、瑞穂工業の社長として経営に携わり、充実した商業人生を送りました。特に彼の姪、勝野照代は衆議院議員の織田正信と結婚し、その後は料亭照川を経営し、俳優の瑳川哲朗との結婚でも知られています。

1967年10月27日、大神は71歳でこの世を去りました。彼の死去に際しては勲四等瑞宝章が追贈され、従五位が叙されるという栄誉を受けました。大正から昭和にかけての彼の活動は、特に地元春日村における影響力は絶大であり、彼の業績は今も記憶されています。彼の生涯と足跡は、多くの人々に影響を与え続けており、地元社会の発展に大きく寄与した人物として位置付けられています。

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