大興 (渤海)

大興元号について

「大興（たいこう）」は、渤海国の大欽茂の治世において738年から794年まで用いられた元号です。この時代は、渤海国が大きな発展を遂げていた頃であり、政治や文化の面でも重要な時期とされています。元号の背景や出来事について詳しく見ていきましょう。

大興の背景と大欽茂

大欽茂は、渤海国の王としてその治世にさまざまな業績を残しました。特に753年には、国家の統治制度や文化などを整えるために多くの施策を講じました。また、政治的にも唐からの冊封を受けるなど、周辺国との関係をしっかりと築いていきました。

大興の年表

大興25年（762年）

大欽茂が唐から渤海国王に冊封されるという重要な出来事がありました。この冊封は、渤海国の国際的地位を高め、他の国々との外交においても大きな影響を与えたとされています。

大興37年（774年）

大欽茂は、この年に宝暦（唐の宝暦とは異なる）に改元しましたが、晩年には再び「大興」を用いることがあったと、閻万章による考証が示しています。

大興時代の文化と社会

大興時代は、渤海国の発展だけでなく、文化や社会の面でも多くの変化がありました。特に、仏教が盛んになり、多くの寺院が建設され、学問や芸術が栄えました。大興時代には、多くの文人や僧侶が活躍し、渤海文化の発展に寄与しました。

また、貿易も重要な要素であり、陸路と海路を通じて他の国々との交流が行われました。これにより、さまざまな文化や技術が渤海に取り入れられ、国としての繁栄に繋がりました。

渤海国と他の王朝との関係

大興時代の渤海国は、新羅と隣接しており、両国は互いに影響を与えながら、時には対立し、時には友好関係を築いていました。新羅の孝成王2年から元聖王9年の期間と重なることで、渤海国の重要な役割がより明確になります。

参考文献

1. 藤島達朗・野上俊静編『東方年表』 （平楽寺書店）
2. 王承礼『渤海簡史』（黒龍江人民出版社）
3. 李殿福・孫玉良『渤海国』（文物出版社）
4. 朱国忱・魏国忠『渤海史稿』（黒龍江省文物出版編輯室）
5. 金毓黻『渤海国志長編』

関連項目

• - 渤海 (国)#元号
• - 元号一覧 (中国)
• - 元号一覧 (朝鮮)

「大興」という元号は、ただの時間の記号ではなく、渤海国の歴史、文化、人々の生活の一部を象徴していると言えるでしょう。それぞれの出来事が重なり合い、渤海国のアイデンティティを形成していったのです。

もう一度検索