762年

762年：飢饉と地震、そして巨星の逝去

762年は、西暦による平[[年]]です。日本、中国、朝鮮半島など東アジア各地で様々な出来事が起こった年として歴史に刻まれています。この年は、自然災害、政治的混乱、そして著名な人物の死など、多様な出来事が複雑に絡み合った時代を象徴する一年でした。

日本：天平宝字6年

この年、日本列島では大規模な飢饉が発生しました。畿内をはじめ、伊勢、近江、美濃、若狭、越前といった国々で深刻な食糧不足に見舞われ、朝廷は賑給（貧民への食糧供給）を実施せざるを得ませんでした。自然災害による社会不安の高まりは、政治情勢にも影響を与えたと考えられます。

6月には、孝謙上皇が、恵美押勝（藤原仲麻呂）の支援を受けた淳仁天皇を批判し、国政の実権を握りました。この出来事は、当時の権力闘争の激しさを示す象徴的な出来事です。また、この頃、新たな税制である勅旨田が設置されました。これは、国家財政の安定化を図るための施策と考えられます。

さらに、美濃国、飛騨国、信濃国では、M7規模と推定される大地震が発生しました。これは、糸魚川静岡構造線断層帯の活動によると考えられています。この地震は、当時の人々に甚大な被害を与えたと推測されます。

中国：唐の宝応元年

中国では、唐が宝応元年にあたります。この年は、唐帝国において重要な人物の死が相次ぎました。5月3日には玄宗皇帝、5月16日には粛宗皇帝が亡くなっています。玄宗皇帝は長期に渡る治世で知られ、その死は唐の政治に大きな影響を与えたでしょう。また、詩仙と呼ばれた李白も10月22日に亡くなっています。彼の死は、唐の詩壇に大きな損失をもたらしました。他にも、高力士や李輔国といった有力な宦官もこの年に亡くなっています。これらの死は、唐の政治情勢に変化をもたらす要因となったと考えられます。

朝鮮半島：新羅

朝鮮半島の新羅では、景徳王21年でした。新羅における政治や社会情勢については、この年の記録からは明らかになっていませんが、唐の動向が朝鮮半島にも何らかの影響を与えた可能性は高いと考えられます。

その他の地域

渤海では大興25年、南詔では賛普鐘11年、ベトナム、仏滅紀元、ユダヤ暦などもこの年にあたります。これらの地域では、それぞれの歴史的背景に基づいた出来事が起こっていたと考えられますが、詳細は現時点では不明です。

まとめ

762年は、自然災害、政治的変動、そして著名な人物の死など、様々な出来事が起きた年でした。日本における飢饉と地震、唐における皇帝の相次ぐ崩御、そして李白の死などは、この年の歴史的意義を象徴する出来事です。これらの出来事は、東アジア地域の政治や社会に大きな影響を与えたと考えられます。今後さらなる研究によって、この年の出来事がより詳細に明らかになることが期待されます。

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