大西城 (阿波国)

大西城について

大西城（おおにしじょう）は、徳島県三好市の池田町ウエノに存在した歴史的な日本の城です。この地域は阿波国の最西端にあたるため、「大西」という名称が付けられ、また別名として「池田城」とも呼ばれています。

歴史

大西城の起源は、承久3年（1221年）の承久の乱にさかのぼります。この乱で功績を挙げた小笠原長清が阿波国の守護に任命され、彼の息子である小笠原長経が守護代としてこの地に入ります。長経はここに大西城を築き、前守護である佐々木氏の本城であった茶臼山城に攻撃を仕掛け、これを滅ぼします。

この場所は、讃岐、伊予、土佐と境を接しており、四国全体における交通の要所という重要な位置にあります。そのため、小笠原氏は将来的に四国全土の守護になることを視野に入れ、この地に主城を築いたと考えられています。

南北朝時代になると、大西城は初め南朝側で戦いましたが、徐々に状況が悪化し、細川氏に服することになります。その後、小笠原氏は三好氏に改姓し、勝瑞城に移りますが、大西城にはその一族に属する大西氏が入城しました。

天正13年（1585年）には、蜂須賀家政が阿波国の領主となり、阿波九城の一つの支城として大西城を整備しました。城代としては、牛田一長や中村重勝が登用されましたが、1638年に発令された一国一城令により、大西城は廃城となりました。

現状

現在、大西城の跡地は池田町市街の北側、吉野川に面した上野台地上に位置し、高さ約30メートルの場所にあります。その範囲は、今日の諏訪神社や池田幼稚園、池田小中学校にあたる部分であり、方形の構造を持っていたと考えられています。また、幼稚園の敷地内には石垣の一部が現存しており、当時の面影を残しています。

以上のように、大西城はその立地と歴史から見ると、単なる城ではなく、阿波国の歴史や文化の一端を担った重要な存在であったことがわかります。歴史的意義を探ることがこの城に隠された物語を理解する手掛かりになるでしょう。

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