大谷尊由

大谷 尊由

大谷尊由（おおたに そんゆ、1886年8月19日 - 1939年8月1日）は、日本の浄土真宗本願寺派に属する僧侶であり、政治家としても活動していました。彼は著名な宗教家の家系に生まれ、兄には第22世法主の光瑞がいるほか、歌人の九条武子という妹もいます。学識と教育を受け、特に評論家や政治家から高い評価を得ることになりました。

来歴

尊由は、浄土真宗本願寺派第21世法主である大谷光尊（明如）の5男として京都で誕生しました。成人後は兄と共に宗教界で活動し、本願寺執行長や護持会財団の理事長などの重要な職務を歴任し、特に日露戦争では従軍布教の指導を行い、中国の各地でも人々を支援しました。

彼は教団内での改革に取り組み、大谷探検隊の財政面を支持しましたが、その結果、多額の負債を教団に残すことにもなりました。1914年、兄が法主の座を退く中、自身も疑獄事件に関与したとして宗教活動の第一線から退くことを余儀なくされました。

その後、1928年に皇帝の選任により貴族院議員に就任し、内閣では拓務大臣に任命されるなど、政治家としての活動を展開していきました。1938年には内閣参議として政界に関与し、北支那開発株式会社の初代総裁にも任命されましたが、病に倒れ、1939年に54歳で亡くなりました。

親族

尊由の家族は非常に興味深い背景を持っていました。妻の泰子は小出英尚の娘であり、長女の高子は岡崎財閥の岡崎真一に嫁ぎました。次女の益子は、最初に朝香宮鳩彦王と、その後に小坂財閥の小坂善太郎と結婚しています。

逸話

大谷尊由の政治家としての活動の中でも際立つ逸話があります。1937年、日中戦争の最中、彼は閣議で陸軍大臣の杉山元に「陸軍は一体どの線まで進出するのか」と尋ねました。この問いに杉山は沈黙し、代わりに海軍大臣の米内光政が「おそらく永定河と保定の線で停止する」と答えると、杉山はそれに対して反発しました。この事件は、彼の大胆な姿勢を物語るエピソードとなっています。

年譜

大谷尊由の人生は、多くの重要な出来事に満ちています。1898年に本願寺で得度を受け、その後の日露戦争では慰問活動を行いました。続いて本願寺の清国開教総監としても活動し、海外視察を経て、本願寺の執行長に就任しました。その後、政治の世界へ進出し、貴族院議員や拓務大臣として貢献しました。

まとめ

大谷尊由は、宗教界と政治界で幅広く活躍した人物であり、彼の足跡は特に彼が生きた時代において重要な意義を持っていました。彼の教団改革や政治活動は、浄土真宗本願寺派や日本の近代史において重要な役割を果たしており、その影響力は今なお語り継がれています。

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