大豊泰昭

大豊 泰昭（たいほう やすあき）

大豊泰昭は、1963年11月15日に台湾南投県で誕生し、2015年1月18日に亡くなった元プロ野球選手です。本名は陳 大豊（チェン・ダーフォン）で、内野手及び外野手として日本でのプロ野球に名を馳せました。彼は左投左打の選手として活躍し、特に一本足打法で知られています。

経歴

プロ入り前

大豊は華興中学での台湾大会優勝を経て、華興高中心的な役割を果たしました。若き日から王貞治に憧れを抱き、日本プロ野球入りを志望。20歳になるまで出国できなかったため、卒業後は母校で2年間コーチとして活動しました。1984年、名古屋商科大学に入学し、愛知大学野球リーグで活躍。通算96試合出場し、打率.350、24本塁打、94打点を記録しました。特に通算24本塁打はリーグの記録であり、全日本代表にも選出された経験を持ちます。

中日時代

1988年のNPBドラフトで中日から2位指名を受け、契約を結びました。開幕戦ではスタメンとして起用され、デビューシーズンからいきなり存在感を示しました。1989年は14本塁打、1990年は20本、1991年には26本と着実に数字を上げ、1993年には25本を放ちました。1994年には38本塁打、107打点を達成し、打点王と本塁打王に輝きます。特に広島戦では18本の本塁打を記録し、年間カード別最多本塁打の日本記録を樹立しました。

1997年にはチームが低迷し、移籍を余儀なくされました。

阪神時代

阪神タイガースに移籍後の1998年シーズンは、5番一塁手として起用されるも不振に陥りますが、後半には調子を取り戻し、21本を記録しました。1999年には代打として活躍し、打率.341、歴代2位のシーズン6代打本塁打を達成しました。2000年には通算250本塁打を達成し、その後は打撃に波があるシーズンとなりました。

中日復帰と引退

2001年には中日に復帰したものの、背番号は60に変更され、出場機会は限られました。2002年に戦力外通告を受け現役を引退しました。引退セレモニーはナゴヤドームで行われ、14年間のNPB生活を締めくくりました。

引退後

引退後は中日球団のスカウトとして台湾での選手発掘や、地元での野球指導にも力を入れました。2004年には名古屋市中区で中華料理店「大豊飯店」を開業し、地域に根ざした活動を続けました。また、野球教室や各地での講演活動を行いながら硬式野球の普及に努めました。しかし、2009年に急性骨髄性白血病を発症し、その後も再発を繰り返しました。闘病生活が続く中でも、地域での活動は続けられましたが、2015年に亡くなりました。彼の死後、遺志に基づき千葉県銚子沖に散骨されました。

人物

大豊は右足に怪我があり、それに伴う影響も抱えていました。また、一本足打法を続ける一方で、打法変更を余儀なくされるなど苦悩も多かった選手です。それでも、彼は自らの技術にこだわり続け、素晴らしい成績を収めました。野球指導者としても、彼の経験を生かした教えは多くの若手選手に影響を与えています。

彼の一生は、プロ野球選手としての努力を重ねる中で多くのドラマと挑戦が詰まっており、今もなお台湾や日本の野球界にその名が残っています。

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