大豪健嗣

大豪健嗣（だいごう けんし）は、1952年5月23日に秋田県山本郡山本村（現在の三種町）で生まれ、花籠部屋に所属していた元大相撲力士です。本名を板倉昇（いたくら のぼる）といい、身長186cm、体重120kgの恵まれた体格の持ち主でした。

中学校在学中に花籠部屋へ入門し、1966年5月場所で初土俵を踏みました。当初の四股名は師匠である花籠（元前頭3・大ノ海）の名から取った「久光」でした。その後、「板倉」「宮桜」と改名し、1973年9月場所から新十両時に「板倉健嗣」と改めました。1975年9月場所からは「大豪健嗣」と改名し、幕内力士として活躍しました。

幕下までは順調に番付を上げましたが、幕下上位で苦戦し、出世が遅れる時期もありました。1973年11月場所から弓取式を務めるようになり、十両に昇進した1975年3月場所でも弓取式を担当しました。この時、関取が弓取式を行う珍しい事例として話題になりました。1975年11月場所で念願の新入幕を果たし、1977年7月場所まで計4場所幕内を務めましたが、一度も勝ち越すことはできず、4場所全てで二桁の負けを喫しました。

得意手は右四つ、上手投げでしたが、左からの投げにも威力がありました。左右どちらの四つでも取れる、いわゆる「なまくら四つ」でしたが、やや闘志に欠けたためか、幕内上位では活躍できませんでした。通算成績は498勝482敗14休、勝率.508。幕内成績は14勝46敗、勝率.233でした。十両優勝を1回（1976年11月場所）経験しています。

1982年3月場所を最後に29歳で引退し、その後は借り株で日本相撲協会に残りました。年寄としては、「鳴戸」「不知火」「山響」「北陣」を名乗りましたが、1988年9月に廃業しました。その後、東京都国分寺市で相撲料理店を営んでいました。

大豪は、幕内では苦戦を強いられましたが、十両では優勝を果たすなど、その実力を発揮した時期もありました。また、四股名を何度も変更したことでも知られています。引退後は相撲料理店を経営するなど、相撲界との関わりを持ち続けました。

主な成績・記録

通算成績：498勝482敗14休 勝率.508
幕内成績：14勝46敗 勝率.233
現役在位：94場所
幕内在位：4場所
十両優勝：1回（1976年11月場所）

改名歴

久光（ひさみつ、1966年7月場所-1967年3月場所）
板倉（いたくら、1967年5月場所-1969年5月場所）
宮桜（みやざくら、1969年7月場所-1973年7月場所）
板倉 健嗣（いたくら けんし、1973年9月場所-1975年7月場所）
大豪 健嗣（だいごう けんし、1975年9月場所-1979年1月場所）
大剛 健嗣（だいごう けんし、1979年3月場所-1982年3月場所（引退））

年寄履歴

鳴戸 昇（なると のぼる、1982年3月-1983年4月）
不知火 昇（しらぬい のぼる、1983年4月-1986年5月）
山響 昇（やまひびき のぼる、1986年5月-1988年5月）
* 北陣 昇（きたじん のぼる、1988年5月-同年9月（廃業））

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