大道芸ワールドカップin静岡
大道芸ワールドカップin静岡
大道芸ワールドカップin静岡は、毎年11月初旬に静岡県静岡市で開催される、大道芸を中心とした国際的なイベントです。この祭典は、単なる大道芸の枠を超え、パフォーミングアーツの祭典として、国内外から高い注目を集めています。1992年に市民参加型イベントとして始まり、現在ではアジア最大級の大道芸フェスティバルへと成長しました。
イベントの概要
このイベントは、静岡市が主催者から独立して運営されており、毎年4日間で160万人から200万人もの観客が訪れます。2016年には過去最高の205万人を動員しました。国内外で活躍するストリートパフォーマーが多数参加し、そのパフォーマンスは観客を魅了します。近年では、海外のフェスティバル主催者も視察に訪れ、静岡のアーティストが他のイベントに招聘されるケースも増えています。
歴史
第一回開催時には、NHKエンタープライズが企画運営に携わり、関根勤とヒロコグレースが司会を務めました。審査員には、浅井慎平、池田満寿夫、永六輔、和田勉、山本寛斎、デーブスペクター、藤村俊二、佐藤直子といった豪華な顔ぶれが揃いました。
開催内容
大会は通常、11月初旬の第一土曜日・日曜日と文化の日を含む日程で開催されます。パフォーマーは、ニューカマーズ部門、フリンジ部門（自費参加）、オン部門（招聘）、ワールドカップ部門（審査対象）の4カテゴリーに分かれており、実行委員会の事前審査で参加が決定します。ワールドカップ部門では、最も高い得点を獲得したアーティストがチャンピオンに選ばれます。以前は、ジャパンカップ部門も存在しましたが、後にワールドカップ部門に統合されました。オン部門は、固定されたポイントで演技する「カテゴリー1」と、エリア内を移動しながら演技する「カテゴリー2」に分かれています。近年では、大道芸の枠を超えたパフォーミングアーツのイベントとして、パフォーマーは「アーティスト」と呼ばれています。
大会前日には、ワールドカップ部門とオン部門のアーティストによる「プレビューショー」が開催されます。このショーは、「世界大道芸倶楽部」の会員や招待客のみが入場可能で、一般販売は行われません。
パフォーマンスは、駿府城公園、七間町・呉服町・紺屋町の商店街、青葉シンボルロード、常磐公園など、静岡市葵区の中心市街地に設置されたポイントで行われます。近年では、駿河区や清水区の商業施設にもサテライト会場が設けられています。
2004年からは、駿府城公園内に有料のプレミアムステージが設置され、よりゆったりとパフォーマンスを楽しめるようになりました。プレミアムステージでは、市民審査員によるワールドカップ部門の審査が行われます。表彰式が行われる「ファイナルステージ」も有料化され、多くの観客がその模様を楽しんでいます。
また、視覚障害者のためにFMラジオによる実況中継が行われたり、車椅子対応のトイレやエスコートスタッフの配置、ガイドブックの点訳・音訳版の準備など、バリアフリーにも配慮されています。駿府城公園内の「キッズガーデン」では、授乳所やおむつ交換所も開設されています。
ガイドブック
以前は、出演パフォーマーのプロフィールや会場情報が掲載された公式ガイドブックが有料で販売されていましたが、現在は無料で配布されています。過去のガイドブックは電子書籍として販売されており、最新のものは公式サイトで閲覧可能です。
運営主体・市民ボランティア
イベントの運営は、大道芸ワールドカップ実行委員会と市民ボランティアによって行われています。音響や設営などの専門業務を除き、全ての運営が市民ボランティアの手によって支えられています。ボランティアは、自発的に応募する人々と、市役所や協賛企業から派遣される職員で構成されています。
多くのボランティアが、他のイベント運営に参加したり、パフォーミングアーツの世界に進むなど、このイベントでの経験を生かしています。また、児童や生徒によるクラウンデザインコンテストや、専門学校生によるポスターデザインコンペティションなど、市民参加型の企画も実施されています。
大会前には、ボランティアによる清掃活動が行われ、大会期間中は「天使の羽」をつけたボランティアが会場の清掃やゴミ分別を担当します。
ボランティアは、毎年5月中旬から募集を開始し、静岡市民だけでなく、広く参加を呼びかけています。しかし、近年では若年層の参加が伸び悩んでおり、運営メンバーの高齢化が課題となっています。
協賛・パートナー企業
キリンビバレッジや東洋水産などの企業が、このイベントを協賛・支援しています。キリンビバレッジは、大会の応援自動販売機を設置し、収益の一部を運営資金として寄付しています。東洋水産は、大会期間中に限定商品を販売しています。
世界大道芸倶楽部
かつては、ファンクラブとして「世界大道芸倶楽部」が存在しましたが、2020年以降は会員募集を停止し、2023年に解散しました。現在はクラウドファンディングによる支援に移行しています。
2020年・2021年以降
2020年と2021年は、新型コロナウイルスの影響で大会が延期されました。2022年には規模を縮小して開催され、2023年には4年ぶりに海外パフォーマーを招いて通常開催となりました。
諸問題
出演料廃止問題
2018年には、オン部門出演者の出演料が一時廃止され、後に復活するという騒動がありました。この問題は、実行委員会の予算配分や意思決定過程に対する不信感を招きました。
補助金問題
大会の事業費の多くは静岡市の補助金で賄われており、補助金の配分や透明性についても議論がありました。出演者と実行委員会の間での意見のずれが課題となっています。
フェイスペインティング問題
2017年には、フェイスペインティングが美容師法に抵触するとの指摘があり、運営方法が変更されました。その後は、法規制に対応した上で、ボディペインティングの楽しさを伝える工夫がなされています。
2022年度大会・プロデューサー差別発言問題
2022年には、プロデューサーの差別発言が発覚し、プロデューサーと委員長が解任されました。この問題は、大会の開催自体を危ぶませましたが、最終的には開催されました。しかし、一部の出演者は不参加を表明し、実行委員会の対応に不満を抱く声も上がりました。
盗撮事件
2023年には、観客による盗撮事件が発生し、逮捕者が出る事態となりました。
受賞者
（受賞者リストは省略）
関連項目
- - 大道芸
- - 静岡まつり
- - 清水みなと祭り
- - ピエール瀧のしょんないTV
外部リンク
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