大野ヶ原

大野ヶ原の概要

大野ヶ原（おおのがはら）は、愛媛県西予市に位置する高原で、四国カルストの西部を代表する地域です。標高は1000mから1400mに達し、周囲には大川嶺、皿ヶ嶺、瓶ヶ森といった著名な山脈があります。この地域は約1000万年前に形成されたとされ、愛媛県内では最も古い地形の一つです。

地理と地形

大野ヶ原の南には、源氏ヶ駄場というなだらかな丘があり、その稜線は愛媛県と高知県の境界となっています。また、竜王神社の近くには、小松が池という池があり、これはドリーネと呼ばれるカルスト地形の一部で、世界的にも稀な形状をしています。この池の周辺には、碁石ヶ森、鉢巻山、源氏ヶ駄場、姫草といった美しい山々が点在し、自然の魅力を引き立てています。1964年には四国カルスト県立自然公園に指定され、その美しい風景や生態系が保護されています。

羅漢穴

大野ヶ原には、特に知られた観光スポットがあります。それが「羅漢穴」と呼ばれる洞穴です。これは小松ヶ池から西に約4kmの地点に位置し、四国最大の洞穴として古くから知られています。この洞穴は、元々「浮穴」という名前で知られ、洞内の鍾乳石群が五百羅漢の姿に似ていることから現在の名前が付けられました。

洞穴の入口は標高720mにあり、136メートル地点で二股に分かれています。左側の本穴は164m、右側の支穴は84mの長さがあります。全体を通じて、これらの支洞を合わせると全長は500mを超えるとされています。

気候と自然

大野ヶ原は豪雪地帯でもあり、特に1962年から1963年にかけての38豪雪では、ここにある大野ヶ原小学校に約3メートルの積雪を記録しました。このような厳しい気候条件下でも、豊かな自然が息づいており、ここでの牛の放牧が行われています。

産業とアクセス

この地域は戦後に開拓された際、厳しい環境から農作物の栽培には適さないとされ、酪農が盛んに行われるようになりました。アクセスに関しては、東側からは国道440号と愛媛県道36号野村柳谷線を経由し、西側からは国道197号、愛媛県道32号肱川公園線を利用できます。ただし、公共交通機関は通っていないため、車でのアクセスが主となるでしょう。

歴史

大野ヶ原は元々「浮島が原」と呼ばれていましたが、弘法大師（空海）がこの地を訪れた際に真言宗の本山と伽藍町を建立しようとしたという伝説があります。しかし、計画は失敗に終わり、それを機に「浮島が原」は「一朝が原」と名を変えたと言われています。その後、1574年には久万大除城主の大野直昌がこの地で戦を勝利に導いたことから現在の名称が定着しました。

江戸時代には、麓の小屋村と共に伊予松山藩に編入され、後に大洲藩に移されました。また、歴史の中で県境を巡る争いもあり、17世紀ごろから現在の愛媛県と高知県の県境が定まりました。1924年には境界柱が設置され、現在の境界線が確定しました。

大野ヶ原はこのように自然の美しさだけでなく、深い歴史的背景を持つ場所です。その魅力は多彩で、訪れる人々に様々な体験を提供しています。

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