大鉄十字章

大鉄十字章（Großkreuz des Eisernen Kreuzes）

大鉄十字章は、プロイセン及びドイツにおいて戦功を称える勲章の一つであり、特にその中でも最も権威のある等級を指します。この章は、ナポレオン戦争から始まり、普仏戦争、第一次世界大戦、そして第二次世界大戦にかけて四度にわたり制定されてきました。大鉄十字章は、戦争の際に特に優れた業績を残した上級将官のみが受章することができるため、その受章者は非常に限られています。実際、歴史上において18名のみがこの名誉を授与されているのです。そのため、大鉄十字章は戦功勲章の中でも特別な存在となっています。

1813年章

1813年、ナポレオン戦争時に初めて大鉄十字章が制定されました。最初の受章者は5名であり、次のようなプロイセンの軍人や王族が名を連ねています：

1. ゲプハルト・レベレヒト・フォン・ブリュッヘル - プロイセン王国陸軍元帥
2. フリードリヒ・ヴィルヘルム・フォン・ビューロー - プロイセン王国陸軍大将
3. カール14世 - スウェーデン王
4. ボギスラフ・フリードリヒ・エマヌエル・フォン・タウエンツィン - プロイセン王国陸軍大将
5. ヨハン・ダーヴィット・ルートヴィヒ・ヨルク・フォン・ヴァルテンブルク - プロイセン王国陸軍元帥

これらの受章者は、当時の戦局に多大な影響を与え、プロイセンが勝利を収めるために重要な役割を果たしました。

1870年章

次に普仏戦争の際、1870年に新たに鉄十字章が制定されました。この戦争では大鉄十字星章は授与されていないものの、7名の受章者が存在しました。彼らは以下の通りです：

1. アルベルト王 - ザクセン王
2. アウグスト・カール・フォン・ゴーベン - プロイセン王国歩兵大将
3. エドヴィン・フォン・マントイフェル男爵 - プロイセン王国陸軍元帥
4. ヘルムート・カール・ベルンハルト・フォン・モルトケ - プロイセン王国陸軍元帥、陸軍参謀総長
5. フリードリヒ・カール王子 - プロイセン王子
6. フリードリヒ・ヴィルヘルム皇太子 - 後にドイツ皇帝となる
7. アウグスト・フォン・ヴェルダー - プロイセン王国将軍

これにより、普仏戦争ではプロイセンの軍事的成功が鮮明に顕れ、大鉄十字章もその一環として位置づけられました。

1914年章

第一次世界大戦においては、1914年8月に大鉄十字章の授与が再び行われました。受章者は次の5名です：

1. ヴィルヘルム2世 - ドイツ帝国最後の皇帝
2. パウル・フォン・ヒンデンブルク - 陸軍元帥、後に大統領
3. エーリヒ・ルーデンドルフ - 陸軍大将
4. レオポルト王子 - バイエルン王子
5. アウグスト・フォン・マッケンゼン - 陸軍元帥

彼らは第一次世界大戦においても各自が重要な役割を果たし、戦局を大きく左右しました。

1939年章

第二次世界大戦が始まった1939年、ナチス・ドイツは大鉄十字章を再制定しました。この時の受章者はヘルマン・ゲーリング国家元帥のみでした。彼は1940年7月にその勲章を受け取っていますが、大鉄十字星章に関しては受章者がいませんでした。

大鉄十字章の歴史を通じて見られるように、これは名誉と功績の象徴であり、その授与は非常に選ばれた者たちに限られています。受章者たちは、それぞれの時代において国のために大いなる貢献を果たしました。

関連項目

• - 鉄十字
• - 大鉄十字星章
• - 騎士鉄十字章
• - ドイツ十字章
• - 一級鉄十字章
• - 二級鉄十字章
• - プール・ル・メリット勲章

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