大門寺

大門寺（だいもんじ）

大阪府茨木市大門寺にある真言宗御室派の仏教寺院。神峯山（かぶさん）と号し、金剛院（こんごういん）を院号とします。本尊は秘仏である如意輪観世音菩薩です。

歴史

寺伝によれば、宝亀2年（771年）に開成皇子によって開基されたと伝えられています。当初は青龍寺と称していましたが、後に空海が訪れ9年間滞在し、金剛・蔵王の二像を彫刻して大門寺の守護神としたとされています。

開成皇子は光仁天皇の皇子であり、大阪府北部の山間部には、大門寺の他にも開成皇子開基の伝承を持つ寺院が点在しています。貞観年間（859年～877年）には、本堂、無量寿堂、御影堂、三重塔など多くの堂宇が建ち並び、隆盛を極めたと伝えられています。

平安時代末期から鎌倉時代中期にかけての約100年間には、経尊と長賢が願主となり一切経の書写が行われました。この事業は、北摂を中心とした近隣諸国の善男善女からの経済的な支援によって支えられました。現在では78巻のみが現存しています。

壮大な伽藍は建久の地震や元弘の兵火によって荒廃しましたが、江戸時代初期に中興開山である快我上人空寿によって再建されました。この頃から光明講、観音講、山上講などの講社が組織され、祈願寺としても信仰を集めました。江戸時代中期には、歌人である似雲法師が第8世住職の守詮と親交を深め、大門寺に滞在して歌を詠み、如意輪講式などの講式を書写しました。

境内

境内の南西の高塚の頂上には、木村常陸介重茲の墓があります。木村常陸介は豊臣秀次の重臣であり、秀次が自害した後、大門寺で切腹しました。その際に使用した血染めの経帷子や刀槍が保存されています。

安威川ダムの建設を契機に、境内は大規模な改修が行われました。元の本堂は解体され、高台に新しい本堂が新築されました。本堂があった場所には、庫裏と池泉式庭園が整備されています。

文化財

重要文化財

木造如意輪観音坐像: 寺伝では開成皇子の作とされる本尊像（秘仏）。像高58.6センチメートル。実際には平安時代後期に制作されたと考えられています。蓮華座ではなく岩座上に坐す六臂の如意輪観音像で、クスノキの一木から本体と岩座を彫り出しています。岩座は観音の住処とされる補陀洛山を表しています。
木造四天王立像

札所

摂津国八十八箇所霊場：第50番札所
摂津国三十三箇所：第24番札所

年中行事

修正会：1月1日
初観音：1月18日
星祭：2月3日
花祭：4月8日
施餓鬼会：8月18日

外部リンク

大門寺 (@daimonjitemple) - X（旧Twitter）
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