大阪人権博物館

大阪人権博物館の概要

大阪人権博物館（おおさかじんけんはくぶつかん）、通称リバティおおさかは、大阪市浪速区にかつて存在した博物館で、数多くの人権問題を扱っていました。1985年に設立され、公益財団法人大阪人権博物館が運営していました。ここでは被差別部落、在日コリアン、公害被害者、ハンセン病患者、薬害被害者に関する資料が展示され、人権意識の向上を目的としていました。

設立の背景と沿革

大阪人権博物館の設立のアイデアは1980年代初頭に提案され、部落問題関連の資料保存を目指しました。大阪府や大阪市からの出資を受けて建設され、1985年に「大阪人権歴史資料館」としてオープンしました。この博物館は、大阪市立栄小学校跡地に設置され、土地の無償貸与や固定資産税の免除が実施されました。その後、博物館は人権問題を広範囲に扱うように発展し、1995年には「大阪人権博物館」と改名されました。

2000年代に入ると、大阪府や大阪市からの展示内容をより穏やかにする要求が寄せられ始めました。特に、大阪府知事としての橋下徹氏の在任中には、その展示内容が批判され、補助金が削減される動きが強まりました。2013年度から大阪府と大阪市は補助金の支給を停止し、さらには賃料の支払いも要求しました。博物館側は無償の土地貸与を続けるか、賃料の減額を求めましたが、大阪市はこれに応じず、最終的に市有地の明け渡しを求める訴訟を起こしました。

最終的に2020年5月31日に閉館となり、2022年にも移転と再開館を目指すという計画がありましたが、経済的な問題から方針が変更され、収蔵資料を大阪公立大学に寄贈することが決まりました。2023年には協議会が設置され、2025年度を目指して寄贈を行う計画が進行中です。

施設の特徴と開館情報

大阪人権博物館は人権意識の高揚を目的としていました。開館時間は曜日によって異なり、日曜日、月曜日、火曜日、祝日、また毎月最後の金曜日と土曜日は休館でした。入館料は大人500円、高校生・大学生300円、中学生以下200円で、65歳以上は300円、障害者とその介護者は無料でした。また、12月4日から12月10日までの人権週間中は入館が無料となりました。

発行物としては、解放出版社から『ビジュアル部落史』シリーズなどが出版されており、様々なテーマにおける人権問題に関する資料が提供されていました。

交通アクセス

交通機関のアクセスも良好で、最寄り駅である南海高野線木津川駅からは徒歩5分、JR芦原橋駅からは徒歩10分の距離にありました。さらに、今宮駅からも徒歩圏内で、バスも利用可能でした。

閉館後の展望

この博物館は閉館後も「人権と差別撤廃のために新たな社会的役割を果たす」ことを目指しており、寄贈された資料を活用して、今後の活動を展開していく意欲を示しています。これにより、大阪人権博物館はその歴史を持続させ、人権問題に対する市民の意識を引き続き探求し提供する場として、新たな道を模索しています。

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