大阪商業講習所

大阪商業講習所の概要

大阪商業講習所は、1880年11月に五代友厚などの努力によって大阪府で設立されました。この商業教育機関は、後に府立大阪商業学校として改組され、現在の大阪公立大学の原型となっています。

設立の背景

この商業講習所の設立には、福沢諭吉の弟子である加藤政之助の提言がありました。彼は1879年に発表した社説で、大阪が商業の中心地であるにもかかわらず、商法学校が存在しないことを問題として指摘しました。この提言を受け、五代友厚は他の有志と共に講習所の設立に向けた準備を開始しました。

私立大阪商業講習所の誕生

1880年10月、講習所の生徒募集が新聞に掲載され、開設翌月には60名以上の学生が入学しました。初代校長には桐原捨三が就任し、日本人による教育を行いました。カリキュラムは昼間と夜間に分かれており、簿記や経済など実務に即した科目が提供され、実地演習も行われました。さらに、興亜会に所属する創立メンバーの影響で「支那語学」の授業も行われました。

公立移管への道

しかし、私立の形態では財政が厳しくなり、1881年には大阪府に公立の商業講習所としての設立を提案しました。府知事である建野郷三の承認のもと、1881年8月に府に移管され「府立大阪商業講習所」として生まれ変わりました。新たな規定により入学資格や修業年限が設定され、さらなる学生の受け入れが進められました。

財政難と改組

府立に移行後も経営の厳しさは続きました。創立者の一人である五代友厚の死去や資金援助の期待が薄れたため、学校はさらに財政難に陥りました。これに対処するため、1885年に講習所を基に「府立大阪商業学校」が設立され、その後市立大阪商業学校、さらに市立大阪高等商業学校へと発展していきました。

結び

大阪商業講習所は、当時の商業教育の在り方を変えていく基盤を築きました。その影響は現在の大阪公立大学にも色濃く残っています。この歴史的な機関は、商業教育の発展だけでなく、地域経済の発展にも寄与してきたのです。これにより、現代における商業教育の重要性や役割を再認識することができます。

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