大阪市公館

旧大阪市公館の歴史と役割

旧大阪市公館は、大阪市都島区網島町に位置する重要な建築物です。毛馬桜之宮公園の南端近くにあるこの館は、旧淀川と寝屋川の交わる地点に建てられており、かつては迎賓館として利用されていました。この建物は「なにわ迎賓館」としても知られ、多くの公式行事や接遇が行われてきました。

建設の背景と設計

この公館は1959年（昭和34年）に日本とアメリカの市長及び商工会議所会頭会議が大阪で開催されるのを契機として建設されました。設計は竹腰健造が手がけ、2階には市長執務室や応接室が配置されています。当初、公館周辺には東庭だけが整備されていましたが、1970年（昭和45年）に開催された日本万国博覧会を機に西側が拡張され、新たに西庭が設けられました。

二水亭と庭園の意義

東庭の茶室「二水亭」は、独自の趣向を持っています。ここでは、市役所のある中之島を中心に、それを取り囲む小川を堂島川と土佐堀川に見立て、その小川が流れ込む池を大阪湾に例えるという造形が施されています。「二水亭」という名称もこの意図から名付けられたものであり、当時の中井光次市長によるものです。また、二水亭の両側には小川が流れ、緑に囲まれた茶室は穏やかな雰囲気を醸し出しています。

旧網島御殿の跡地

この地にはかつて実業家藤田伝三郎男爵の広大な屋敷「網島御殿」がありましたが、彼の死後、土地は次代に分譲されました。伝三郎の三男に譲られた南部は1943年に大阪市に所有権が移行し、その後は市立実業会館として利用されました。しかし、1945年の大阪大空襲によってこの地区は壊滅的な被害を受け、以後、放置状態が続きました。

公館の変遷

2007年4月、大阪市公館という名称が新たに付与され、その後、橋下徹市長の意向により公館は2014年3月に閉館されました。以降、大阪市は建物と土地を民間業者に貸与する手続きを行い、その活用を目指しました。結果的に、株式会社Plan・Do・Seeがプロデュースを受け、新たな施設「ザ・ガーデンオリエンタル・大阪」として2014年11月にオープンしました。このブライダル施設はレストランや会議、宴会イベントに対応しており、多くの人々に新たな文化的な場を提供しています。

アクセス

旧大阪市公館の所在地は、大阪市都島区網島町10-35です。公共交通機関を利用する場合、JR東西線の大阪城北詰駅から徒歩約1分、またOsaka Metro長堀鶴見緑地線・京阪本線の京橋駅からはそれぞれ徒歩約7分という近距離に位置しています。

まとめ

旧大阪市公館は、その歴史的背景や独自の建築デザインから、大阪の象徴的な施設として知られています。現在は現代的なニーズに応えた「ザ・ガーデンオリエンタル・大阪」として、新たな役割を担っており、歴史と現代が交差する特別な空間となっています。

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