大阪市立姫島小学校

大阪市立姫島小学校は、大阪府大阪市西淀川区に所在する公立の小学校です。その起源は古く、明治時代初期の1874年に設立され、西淀川区内にある小学校の中でも特に長い歴史を持つ学校の一つとして知られています。本校からは、後に大阪市立高見小学校と大阪市立姫里小学校の二つの小学校が分かれて誕生しました。

沿革

日本の近代教育制度が始まった明治時代初期、1874年に当時の西成郡稗島（ひえじま）村では、学制発布を受けて二つの小学校が設けられました。一つは西成郡第五区第三番小学校で慈雲寺に、もう一つは第四番小学校で遍満寺にそれぞれ設置されました。これらの学校は、やがて一つに統合され、1893年には西成郡稗島尋常小学校と名を改めます。

高等教育の必要性に応えるため、当時、稗島村を含む周辺の四つの村（稗島、歌島、千船、川北）が学校組合を組織し、1898年4月には西成郡第二高等小学校が稗島村内に開校しました。その後、1919年には本校に高等科が併設され、西成郡稗島尋常高等小学校となりました。1925年に稗島村が大阪市に編入されたことに伴い、学校名も大阪市姫島尋常高等小学校と改称されました。

明治時代中期に行われた新淀川の開削工事により、稗島村の地域は南北に分断されていました。これを受けて、淀川の南側を新たな校区とし、独立させる形で、1925年の大阪市への編入と同時に、稗島第二尋常小学校（後に西淀川尋常小学校と改称し、現在の大阪市立高見小学校）が本校から分離独立しました。

学校はいくつかの困難な時期も経験しています。1934年 9月21日に襲来した室戸台風では、校舎が激しく損壊（半壊）し、校内にいた児童や教職員合わせて13名が亡くなり、200名以上が重軽傷を負うという、西淀川区の小学校としては最も大きな被害を受けました。この台風で失われた校舎は、1937年に鉄筋コンクリート造りの建物として再建されました。また、1950年 9月3日にはジェーン台風によっても校舎が被害を受けています。

周辺地域の宅地化が進み、特に隣接する野里地区にまたがる一帯が「姫ノ里」（現在の姫里地区）として区画整理されたことなどにより、児童数が急増しました。これに対応するため、1935年には姫ノ里に分校が設けられました。この分校は1942年 4月1日に姫里国民学校（現在の大阪市立姫里小学校）として本校から独立し、姫島校区や野里校区から児童を編入して開校しました。

太平洋戦争の戦況が悪化する中、1944年以降、国民学校の初等科児童に対して学童集団疎開が実施されることになりました。疎開先は行政区ごとに指定され、西淀川区の国民学校では徳島県や香川県方面が指定されました。姫島国民学校の児童たちは、香川県大川郡の志度町、鴨庄村、鴨部村（いずれも現在のさぬき市）へ集団疎開しました。児童たちは現地の宿泊施設で生活しながら、指定された学校（志度国民学校、鴨庄国民学校、鴨部国民学校）の教室を借りて学習を続けました。この学童疎開は、終戦を迎えた後の1945年10月まで続けられました。

戦時中の1945年4月には、姫里国民学校の高等科が本校に統合されました。さらに、終戦直後の1945年10月には、校舎内に旧制の姫島商工学校と姫島実科女学校が併設されました。

1947年に実施された学制改革を経て、学校は現在の大阪市立姫島小学校という名称になりました。この学制改革と同時に、校舎内では新しい中学校である大阪市立西淀川第二中学校（1949年に大阪市立西淀中学校と改称）が開校しました。旧制度下の姫島国民学校高等科や併設されていた姫島商工学校、姫島実科女学校の生徒たちは、この新しい中学校へ移行しました。西淀中学校は、1949年6月に現在の場所へ独立した校舎を建てて移転しています。

学校の施設面では、1992年に新しい校舎が完成し、1998年には第二運動場が整備されました。また、1928年3月には大阪市立姫島幼稚園が併設されましたが、こちらは1946年に独立した園となっています。

通学区域・進学先

大阪市西淀川区の姫島1丁目から6丁目が、本校の主な通学区域となっています。卒業生は、原則として大阪市立西淀中学校に進学します。

交通

阪神本線の姫島駅からは、南西へ約400メートルの距離に位置しており、徒歩でのアクセスが可能です。

参考文献

* 大阪都市協会編『西淀川区史』西淀川区制七十周年記念事業実行委員会、1996年。

この記述は、上記の文献情報などを参考に構成されています。

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