大阪市立玉出小学校

大阪市立玉出 小学校の歴史と概要

大阪市立玉出小学校は、大阪府大阪市西成区の南部、玉出地域に位置する公立小学校です。明治時代初期、日本の近代学校制度が確立され始めた頃に創立された、長い歴史を持つ学校です。

創立から近代学校制度への対応

学校の起源は、1872年に発布された学制に遡ります。この新しい教育制度のもと、翌1873年2月15日、当時の西成郡勝間村（現在の大阪市西成区玉出・岸里・千本地域にあたる）に「第三中学区第六大区第三番小学校」として誕生しました。これは、当時の西成郡内で最も早く設立された小学校の一つとされています。

開校当初、学校は勝間村内の長源寺を仮校舎として利用していました。現在の学校所在地とは異なり、当時の長源寺および仮校舎があった場所は、現在の玉出西公園付近とされています。明治時代初期から中期にかけて、日本の学校制度は頻繁に変化を繰り返しました。これに伴い、玉出小学校も何度かその名称や組織を変更しています。「第三番小学校」として出発した後、1881年には「大江小学校」と称するようになります。

1887年には、勝間村と津守新田（現在の西成区北津守・津守・南津守）が共同で行政を運営することになった影響を受け、同年に津守小学校を合併し、これを分校としました。この際、勝間村の「玉」と津守新田の「津」を取り、「玉津尋常小学校」と改称します。しかし、津守小学校はわずか2年後の1889年には再び独立した学校となりましたが、玉津小学校の名称はその後もしばらく引き継がれました。

学校の規模拡大に伴い、1901年には高等科が併設され、「西成郡玉津尋常高等小学校」となります。さらに1908年には「西成郡玉出尋常高等小学校」と、現在の地域名を冠した名称へと改称されました。

都市化と児童数の増加

大正時代に入り、大阪市の都市機能が拡大するにつれて、市街地に近接する勝間村（1915年に町制を施行し玉出町となる）でも急速な宅地化が進み、人口が急増しました。これに伴い、学校の児童数も飛躍的に増加し、既存の校舎では対応しきれない状況となります。このため、教育環境の拡充が急務となりました。

児童数の増加に対応するため、1913年には「西成郡玉出第二尋常小学校」（現在の大阪市立岸里小学校）が分離設立されました。さらに、さらなる児童増に対応するため、1920年 9月には町内に新たに「玉出第三尋常高等小学校」（現在の大阪市立千本小学校）が開校しました。玉出第三校の開校に伴い、玉出尋常高等小学校に併設されていた高等科は新設の玉出第三校へ移管され、玉出小学校は再び尋常科単独の小学校となりました。

同時期の1909年には、勝間村内の字中通592番地（現在の西成区玉出中1丁目10番街区、玉出公園付近）へ移転しています。

昭和期から戦後へ

1920年 9月には、「西成郡玉出第一尋常小学校」と改称します。そして、1925年 4月1日には玉出町が大阪市に編入されたことに伴い、「大阪市玉出第一尋常小学校」となりました。現在の学校所在地である大阪市西成区姫松通2丁目17番地へ移転したのは、その数年後の1927年6月のことです。

1941年、国民学校令の施行により、学校名は「大阪市玉出国民学校」に変更されました。大阪市では、この改編の際に「地域名に設立順の番号を付した校名」を廃止する方針が採られ、地域名を冠する「玉出」の校名が採用されました。

太平洋戦争末期、戦局の悪化に伴い、1944年 9月には学童集団疎開が実施されました。西成区の国民学校は大阪府南部や和歌山県への疎開が割り当てられ、玉出国民学校の児童は和歌山県有田郡の湯浅町、広村（現在の広川町）、田殿村（現在の有田川町）へと疎開しました。また、1945年3月13日の大阪大空襲では、校舎の一部である講堂が焼失する被害に見舞われました。

戦後の1947年 4月1日、学制改革により現在の校名である「大阪市立玉出小学校」に改称され、新たな教育体制のもとで再出発を切りました。その後も、1950年のジェーン台風による校舎被災など、自然災害に見舞われることもありましたが、復旧・復興が進められました。1965年6月には標準服の採用が決定し、同年10月の冬服より導入されています。1972年 4月1日には養護学級が設置されるなど、時代のニーズに合わせた教育環境の整備が進められてきました。

現在の学校

現在の大阪市立玉出小学校の通学区域は、大阪市西成区の玉出東1丁目（一部調整区域あり）、玉出東2丁目の全域、玉出中1丁目（一部を除く）、玉出中2丁目の全域、玉出西1丁目（一部を除く）、玉出西2丁目の全域となっています。卒業生は原則として大阪市立玉出中学校に進学します。

交通アクセスとしては、Osaka Metro四つ橋線の玉出駅から北東へ約200m、南海本線の岸里玉出駅玉出口から南西へ約500mの距離に位置しており、交通至便な立地です。

創立以来140年以上の歴史を持ち、地域の発展とともに歩んできた玉出小学校は、今後も地域社会と共に子どもたちの育成を担っていきます。

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