大阪府道15号八尾茨木線

大阪府道15号 八尾茨木線

大阪府道15号八尾茨木線は、大阪府八尾市恩智中町で国道170号と接続する地点を起点とし、大阪府茨木市三咲町の国道171号との交差点を終点とする主要地方道として指定されています。

路線の特性

この路線はその名称から八尾市と茨木市を結ぶ重要な幹線道路であると想像されますが、実際の道路状況は区間によって大きく異なります。一部には鳥飼仁和寺大橋有料道路のような整備された区間があるものの、多くの部分は住宅地の中を通る狭い生活道路となっており、必ずしも連続した一つの幹線道路としては機能していません。他の主要な道路によって分断されている箇所も少なくなく、全体として断片的な印象を受ける路線です。また、経路の途上には一方通行の区間や、自動車での通行が不可能な区間が存在するため、起点から終点まで、あるいはその逆方向へ自動車のみで全線を通行することは不可能です。

しかし、この路線の指定ルートには歴史的な背景があります。特に東大阪市御厨付近から茨木市の終点にかけての区間、さらには北に続く大阪府道46号茨木亀岡線の一部や大阪府道1号茨木摂津線の忍頂寺付近までは、「枝切街道」として知られる古い街道のルートにほぼ沿っています。このため、道幅が広いバイパスが整備され供用されている区間があるにもかかわらず、指定ルートは古い経路のまま変更されていないという特徴が見られます。

茨木市大住町付近から終点にかけて一部で道路が不自然に広がっている箇所がありますが、これは将来的に整備が計画されている都市計画道路「茨木寝屋川線」の計画に基づくものです。この計画路線の一部である大阪府道19号茨木寝屋川線として指定されている区間は、現在も未開通となっています。

歴史

主要地方道八尾茨木線として指定される以前は、複数の既存道路によって構成されていました。1982年（昭和57年）4月1日に、建設省（現・国土交通省）が一般府道恩智吉田線、一般府道大阪枚岡奈良線の一部、一般府道布施仁和寺線、一般府道茨木仁和寺線を主要地方道八尾茨木線として指定したのが始まりです。その後、大阪府によって1983年（昭和58年）1月31日に主要府道八尾茨木線（整理番号159）として正式に認定されました。さらに、1993年（平成5年）5月11日には、建設省により改めて八尾茨木線として主要地方道に再指定されています。

路線状況

本路線には、寝屋川市仁和寺本町と摂津市鳥飼中の間を結ぶ「鳥飼仁和寺大橋有料道路」が含まれています。

また、区間によって複数の別名で呼ばれることがあります。「枝切街道」のほか、「小阪街道」や「茨木街道」、一部区間は「花博道路」、「恩智街道（信貴山越の一部）」、「大阪東部新道線」といった通称があります。

他の主要な道路との重複区間も多く見られます。具体的には、大阪府道24号大阪東大阪線、大阪府道702号大阪枚岡奈良線、大阪府道161号深野南寺方大阪線、国道1号、大阪府道14号大阪高槻京都線、大阪府道139号枚方茨木線などが挙げられます。寝屋川市内には支線も存在し、他の府道や国道と交差しています。

地理

この路線は八尾市から茨木市に至る長い経路の中で、八尾市、東大阪市、大阪市（鶴見区）、門真市、寝屋川市、摂津市、茨木市の七つの市を通過します。

経路途中では、起点・終点を含め多くの国道や府道と接続・交差しています。主な交差道路としては、国道170号（起点）、大阪府道5号大阪港八尾線、大阪府道2号大阪中央環状線、国道308号、国道163号、国道1号、大阪府道13号京都守口線、大阪府道14号大阪高槻京都線、国道171号（終点）などがあります。

沿線施設

沿線には多様な施設が立地しています。代表的なものとして、門真運転免許試験場、新幹線鳥飼車両基地、大阪府中央卸売市場、真宗大谷派茨木別院、近鉄高安検車区・高安検修センターなどがあります。その他、教育施設や商業施設なども点在しています。

特記事項

先述の通り、八尾茨木線には自動車での通行が困難または不可能な区間が存在します。特に、近鉄河内花園駅付近の旧道は、かつて線路南側が車両通行不可の狭いアーケード商店街、北側も再開発によるルート変更がありましたが、この踏切は2014年9月の高架化により廃止されました。また、大阪市鶴見区の徳庵橋北詰付近では、道路の指定区間が歩行者用階段と自転車用スロープになっており、自動車は通行できません。これらの箇所があるため、自動車による全線走破は不可能となっています。

管理者

この路線は複数の管理者によって管轄されています。区間ごとに、大阪府茨木土木事務所（茨木市 - 摂津市）、大阪府道路公社（鳥飼仁和寺大橋）、大阪府枚方土木事務所（寝屋川市 - 守口市 - 門真市）、大阪市建設局（大阪市内）、大阪府八尾土木事務所（東大阪市 - 八尾市）がそれぞれ管理を担っています。

このように、大阪府道15号八尾茨木線は、幹線道路としての機能と地域生活道路としての側面、有料区間や歴史的な経路を含む、多様な顔を持つ路線です。

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