大阪教育大学附属天王寺中学校

大阪教育大学附属天王寺中学校

大阪教育大学附属天王寺中学校は、大阪府大阪市天王寺区に所在する国立中学校です。一般には「附中」、「附天中」、「天附」といった略称で呼ばれています。

教育の役割と特色

本校は、学校教育法に則った普通教育を提供しつつ、国立大学法人大阪教育大学の附属学校としての使命を果たす機関です。教育学の研究機関である大学と連携し、教育に関する様々な分野での実践的な研究を推進するとともに、将来教員を目指す大阪教育大学の学生たちに対する教育実習の場を提供しています。これにより、最新の教育研究成果を教育実践に活かす役割も担っています。

教育内容においては、生徒たちが主体的に学び、活動に参加する機会を豊富に設けています。教科の基礎学力をしっかりと定着させることはもちろん、発表形式の学習、体験学習、グループワークなどを積極的に取り入れています。これらの多様な学習活動を通じて、生徒たちは知識の習得だけでなく、思考力、判断力、表現力、そして協調性といった、これからの時代に求められる様々な能力を育むことができます。

中高連携について

本校は、同じ敷地内に大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎がありますが、法制度上は併設型の中高一貫教育校ではありません。中学校から高校へ進学する際には、連絡進学生徒選考という手続きが必要となります。しかし、他の附属中学校と比較して特筆すべき点として、中学3年生の希望者のうち、約9割という高い割合で附属高校への連絡進学が実現しています。本校では、この高い連絡進学率を基盤とした「天王寺型」と呼ばれる独自の中高連携体制を構築しており、実質的な6年間を通じた一貫教育の研究と実践を継続的に行っています。

学校生活と環境

生徒の自主性や自治能力を育成するため、本校では一般的に「校則」と呼ばれるものを「規律規定」と称し、生徒自身がその策定に深く関わっています。生徒会が中心となり、生徒たちの手によって定められた「規律規定」を自ら守っていくという取り組みは、生徒たちの主体性や責任感を育む上で重要な役割を果たしています。

また、教育環境の整備にも力を入れています。2006年の附属高校創立50周年、附属中学創立60周年を記念する事業として、2008年には校内にビオトープ「天王寺学びのもり」と「道草館」が建設されました。「天王寺学びのもり」は、生徒たちの自然観察や環境学習の場として利用されるほか、地域の防災拠点としての機能も兼ね備えています。「道草館」は、屋外でありながら雨天時でも利用可能な空間として、読書や休憩など、生徒たちが自由に過ごせる場所となっています。

本校の敷地内には、附属高校のほかにも、大阪教育大学天王寺キャンパスや放送大学大阪学習センターが所在しており、教育・研究関連施設が集まる恵まれた環境にあります。

沿革

学校の歴史は、1947年に大阪第一師範学校男子部附属中学校として開校したことに始まります。その後、大学の学制改革に伴い、1949年に大阪学芸大学附属中学校に名称を変更。大学の名称変更を受けて、1967年には大阪教育大学教育学部附属天王寺中学校となりました。さらに、2004年の国立大学独立行政法人化により、現在の大阪教育大学附属天王寺中学校という名称に至っています。

入学条件と通学区域

本校への入学を希望する際には、所定の出願要件を満たす必要があります。主な要件として、学校側が指定する特定の地域（大阪府内のほか、奈良県、兵庫県、京都県の一部地域）に、保護者と共に居住していること、そして自宅から学校までの通学時間が60分以内であることが定められています。

交通アクセス

本校は大阪市天王寺区南河堀町に位置し、交通の便が大変良好です。JR大阪環状線の寺田町駅からは南口を出てすぐに学校があります。また、JR各線、Osaka Metro御堂子線の天王寺駅、近鉄南大阪線の大阪阿部野橋駅からも徒歩圏内（いずれも駅から北東へ約800m）に位置しており、様々な方面からの通学が可能です。

大阪教育大学附属天王寺中学校は、附属校としての研究・教育実習の役割、生徒主体の学校運営、多様な学習活動、そして実質的な中高一貫教育といった特色を通じて、生徒たちの全人的な成長を支援しています。

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