大阪教育大学附属幼稚園

大阪教育大学附属幼稚園

大阪教育大学附属幼稚園は、大阪府大阪市平野区に位置する国立の幼稚園です。国立大学法人大阪教育大学が設置・運営しており、単に幼児教育を行うだけでなく、大学の附属機関として教育に関する理論の研究や、将来教員を目指す学生の実習指導、現職教員の研修といった役割も担っています。

園の教育目標は、「すこやかに、あたたかく、遊びに生きる子ども」を育むことに置かれており、この目標に基づいた研究と実践が行われています。

歴史

本園の直接的な起源は、1892年10月1日に大阪府尋常師範学校（現在の大阪教育大学の前身の一つ）の附属幼稚園として大阪市北区常安町（現在の中之島の一部）に開設されたことに始まります。これは、師範学校女子部の教育実習施設としての役割も兼ねていました。

ただし、大阪における官立（公立）幼稚園の歴史を遡ると、これに先立つ1879年に大阪府師範学校（大阪府尋常師範学校の前身）に付設された大阪府立模範幼稚園の存在があります。この幼稚園は、日本で3番目、大阪府では初めて開設された幼稚園でした。しかし、当時の大阪府の財政状況の悪化や、幼稚園教育に対する府会議員を含む世間の理解が進まなかったことなどが原因で、わずか4年後の1883年には廃園の憂き目に遭っています。また、師範学校内の過密な環境も廃園の一因と指摘されています。大阪府立模範幼稚園の園舎や運営の一部は、その後私立幼稚園や公立幼稚園へと引き継がれましたが、直接的な継続ではありませんでした。

1892年に大阪府尋常師範学校附属幼稚園として再出発した本園は、その後師範学校の改称や組織改編に伴い、1898年に大阪府師範学校附属幼稚園、1900年には女子部が大阪府女子師範学校として独立した際に、その附属となり大阪府女子師範学校附属幼稚園と改称しました。この独立に合わせて、園も大阪市南区天王寺桃山（現在の天王寺区）に移転し、新設された大阪府女子師範学校附属小学校（現在の大阪教育大学附属平野小学校）と敷地を共有することになりました。

現在の所在地である平野への移転は、1927年3月に行われました。この移転の背景には、1922年に女子師範学校に隣接する火災が発生し、再建を検討する中で、既存校舎の老朽化や、附属小学校との敷地共有による過密化が進み、周囲の市街化で拡張が困難になっていたことが挙げられます。郊外への移転が適切と判断され、当時の東成郡平野郷町が誘致に応じ、土地を提供しました。平野移転当初も、附属小学校と校舎・園舎を共有していましたが、1962年には現在地の独立した園舎が完成し、移転しています。

第二次世界大戦末期の1945年には、空襲の激化により一時休園しましたが、同年11月には再開されました。戦後の学制改革により、師範学校が新制大学に改組される過程で、本園も名称を度々変更しました。1943年には師範学校の官立移管に伴い大阪第一師範学校女子部附属幼稚園となり、1949年の新制大阪学芸大学発足に伴い大阪学芸大学大阪第一師範学校平野附属幼稚園、1951年には大阪学芸大学附属幼稚園へと改称。その後、大阪学芸大学が大阪教育大学に改称されたことで、1967年に大阪教育大学附属幼稚園、1973年に大阪教育大学教育学部附属幼稚園、そして2004年の国立大学法人化により現在の大阪教育大学附属幼稚園という名称に至っています。

入園と進路

本園に入園するには選考があります。第一次抽選、試験、その後の第二次抽選を経て入園者が決定されます。また、通園にはいくつかの条件が設けられています。幼児が保護者と共に大阪府内に居住していること、公共交通機関（電車やバスなど）または徒歩で通園時間が40分以内であること、そして保護者による送り迎えが必要であり、自転車や自動車での通園は認められていません。卒園児の多くは、同じ敷地内にある大阪教育大学附属平野小学校へ進学します。

交通アクセス

最寄りの交通機関はOsaka Metro谷町線の平野駅で、駅から南へおよそ300メートルの距離に位置しています。

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