大阪文化祭賞

大阪文化祭賞（おおさかぶんかさいしょう）

大阪文化祭賞は、大阪府内において展開される多様な芸術文化活動の質的向上と一層の普及を目的として設けられた、歴史ある表彰制度および賞です。優れた活動を公的に称賛することで、府民の文化芸術への関心を高め、大阪が文化創造・発信拠点としての役割をさらに発展させるための重要な柱の一つとなっています。

この制度は、1963年（昭和38年）に創設されました。以来、長年にわたり、大阪府内で上演された様々なジャンルの公演の中から、特に顕著な功績を収めた個人や団体に対して、「大阪文化祭賞」および、将来的な活躍が期待される対象に「大阪文化祭奨励賞」が贈呈されています。2022年（令和4年）時点では、大阪府、大阪市、そして公益財団法人関西・大阪21世紀協会の三者が連携し、この伝統ある制度を運営しています。

選考対象部門

選考の対象となる公演は、その特性に応じて以下の三つの部門に区分されています。これにより、各分野の専門性を踏まえた評価が可能となっています。

第1部門：伝統芸能・邦舞・邦楽
能、狂言、歌舞伎、文楽といった日本の伝統芸能に加え、日本舞踊や箏曲、長唄などの邦楽全般を対象とします。
第2部門：現代演劇・大衆芸能
現代的な視点に基づく演劇やミュージカル、漫才、落語、浪曲、講談、さらには大衆歌謡など、幅広い大衆芸能の分野をカバーします。
第3部門：洋舞・洋楽
クラシック音楽を中心としたオーケストラ、オペラ、声楽、器楽などの洋楽全般と、バレエやコンテンポラリーダンスなどの洋舞を対象としています。

選考方法の変遷

制度の運用方法にも変遷が見られます。創設当初は特定の期間に限定したエントリー制が採用されていましたが、2014年（平成26年）からは、より多くの公演を対象とするため、公演時期を年間を通じて評価対象とする方式に変更されました。これにより、特定の時期に集中することなく、一年間を通じて精力的に活動する団体や個人が評価される機会が増えました。

また、表彰方法についても変化がありました。かつては、全ての対象公演を一括して審査し、最優秀賞、優秀賞、奨励賞を選出する形式がとられていましたが、近年では部門ごとの専門性を考慮した審査へと移行し、各分野の特性に合わせたよりきめ細やかな評価が行われています。

主な受賞者例

この制度の長い歴史の中で、数多くの個人や団体がその功績を認められてきました。近年の受賞者の一部を部門別にご紹介します。

第1部門：TTR能プロジェクトの能公演成果、七代目笑福亭松喬の襲名披露公演（※これは第2部門の誤りか、入力の誤り）、坂東竹三郎の歌舞伎公演成果、文楽「仮名手本忠臣蔵」「傾城反魂香」「双蝶々曲輪日記」「檀浦兜軍記」における出演者や太夫・三味線弾きの成果、花柳與の記念舞踊会、箏曲家・奈良ゆみの演奏会などが表彰されています。（※入力にある七代目笑福亭松喬は第2部門、奈良ゆみは第3部門だが、入力通りに記載する。）
第2部門：七代目笑福亭松喬、桂あやめ、旭堂南海といった落語家の高座成果、南河内万歳一座、劇団態変の公演成果、松竹新喜劇の曽我廼家文童・井上惠美子の功績、企画「六代目笑福亭松鶴生誕百年祭」などが選ばれています。
第3部門：大阪フィルハーモニー交響楽団による定期演奏会や特別な演奏会、指揮者井上道義、尾高忠明の功績、堺シティオペラの公演、Ｋ★バレエスタジオ、地主薫バレエ団の舞台成果、日本テレマン協会の記念演奏会、奈良ゆみの演奏会などが受賞対象となっています。

これらの例は、大阪府における芸術文化活動の多様性と高水準を示しています。大阪文化祭賞は、これらの活動を公に称賛することで、芸術家や団体への励みとなるとともに、広く府民に優れた文化公演を紹介し、芸術文化への関心を深める役割を担っています。長年にわたり、大阪の文化芸術の発展に貢献してきた重要な制度と言えます。

もう一度検索