大韓民国のカトリック

大韓民国のカトリック教会

大韓民国において、ローマ・カトリック教会は重要な役割を果たしています。現在、国内のカトリック信徒は全人口の約11%に達しており、教会の影響力は年々増しています。

歴史的背景

カトリックの伝道活動は、18世紀に朝鮮半島に到達しました。当初、カトリック教会はプロテスタントよりも早くこの地に根を下ろしましたが、当時の社会は非常に閉鎖的であり、儒教の影響が強かったため、信仰受容には困難が伴いました。主にはパリ外国宣教会がこの活動を推進しましたが、初期の宣教は失敗が続きます。

政府は反キリスト教的な政策を強化し、1801年には信徒の黄嗣永が処刑されるなど、迫害が始まります。このような中でも、1866年には丙寅教獄が発生し、多くの信徒が殉教しました。しかし、信徒数が増加したのは朝鮮戦争以降のことです。1984年には教皇ヨハネ・パウロ2世が訪韓し、その翌年にはマザー・テレサも韓国に足を踏み入れ、カトリックの教えが広まるきっかけとなりました。

大司教区と司教区

韓国には、北朝鮮を含む数多くの大司教区と司教区が存在します。具体的な区分は以下の通りです：

• - ソウル大司教区（一部北朝鮮支配下）
• - 春川教区（一部北朝鮮支配下）
• - 大田教区
• - 仁川教区
• - 水原教区
• - 原州教区
• - 議政府教区（一部北朝鮮支配下）
• - 平壌教区（完全に北朝鮮支配下）
• - 咸興教区（完全に北朝鮮支配下）
• - 徳源自治修道院区（北朝鮮支配下）
• - 大邱大司教区
• - 釜山教区
• - 清州教区
• - 馬山教区
• - 安東教区
• - 光州大司教区
• - 全州教区
• - 済州教区
• - 従軍教区

特に、平壌教区と咸興教区の司教は、ソウル大司教区や春川教区の司教が兼任する形をとっています。

著名なカトリック信徒

韓国社会には多くの著名なカトリック信徒が存在します。中でも、1984年に聖人に認定された金大建氏や、第15代と第19代の大韓民国大統領である金大中氏と文在寅氏が挙げられます。また、歴代の国務総理の中には、張勉氏や李会昌氏などカトリック信徒が多数含まれています。さらに、ローマ・カトリック教会の重要な役職を担った金寿煥枢機卿も有名です。

文化人の中では、俳優のアン・ソンギ氏やキム・テヒ氏、クォン・サンウ氏、ハン・ヒョジュ氏、金妍兒氏（フィギュアスケート選手）、歌手のユンナ氏やBoA氏、ピ氏などもカトリック信徒です。彼らの活動は、カトリック教会の存在感をさらに強める要因となっています。

関連項目

大韓民国におけるカトリックの教育機関としては、西江大学校があり、これはカトリックに基づいた教育を提供しています。また、明洞聖堂は寄与した歴史的な建物であり、カトリックの信仰を支える重要な場所の一つです。北朝鮮におけるカトリック状況も、注目に値する研究テーマです。

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