大鳴戸部屋

大鳴戸部屋について

大鳴戸部屋（おおなるとべや）は、昭和中期から平成期にかけて日本相撲協会で活躍していた相撲部屋で、立浪・伊勢ヶ濱連合に属していました。部屋の創設は1960年、朝日山部屋から独立した元幕内力士、二瀬山によるものでした。彼は5代目の大鳴戸として知られ、相撲界に新たな一ページを刻むことになりました。

沿革の詳細

大鳴戸部屋は、設立当初は独立した部屋として活動を開始したものの、1963年に15代朝日山が突然亡くなるという不幸に見舞われます。この出来事により、二瀬山は16代朝日山を襲名し、朝日山部屋を継承することになります。その際に、大鳴戸部屋は合併する形で一時的に姿を消しました。

しかし、1975年に二瀬山が亡くなった後、若二瀬が17代朝日山を襲名し、朝日山部屋を継承。関脇・高鐵山は新たに大鳴戸部屋を立ち上げることになります。この再編成によって、大鳴戸部屋は再び相撲界にその名を知らしめることとなりました。

その後、実業団相撲出身の板井圭介が入門し、短期間で幕内に昇進し、小結としても活躍します。さらに、板井以外にも維新力が十両に昇進し、大鳴戸部屋は一時的に栄光の時代を迎えました。しかし、板井は引退後に協会に残ることができず、その後維新力もプロレスに転向してしまったため、1990年代以降は関取不在の厳しい状況が続きました。

このような中、11代の大鳴戸は自身の借金問題も影響し、1995年に部屋を廃業する決断を下します。これにより、弟子たちである式守修一郎（後の6代式守鬼一郎）を含む力士たちは、相撲界で新たなスタートを切るために元小結・黒瀬川が経営する桐山部屋に移籍し、大鳴戸部屋は閉じられました。

現在の名跡

大鳴戸の名跡はしばらくの間立浪・伊勢ヶ濱連合から離れた後、2023年現在では出羽海一門に所属する藤島部屋で、元大関・出島がその名を名乗るに至っています。これは大鳴戸部屋の歴史を受け継ぎながら、次世代の力士たちが新たな道を切り開いていることを示しています。

今後の展望

大鳴戸部屋が閉じられた後も、その名跡や関係は相撲界に生き続け、現在では出羽海一門との関係が強まっています。相撲の世界は常に変化しており、新たな力士たちが育成されて行く中で、大鳴戸部屋の伝統や精神が引き継がれ、自らの足跡を新たに刻んでいくことでしょう。

部屋の歴史やそこに所属した力士たちの活躍を振り返ることで、日本相撲界の変遷や文化の深さを感じることができるのです。大鳴戸部屋の物語は、これからも相撲の未来を見つめ続けていくことでしょう。

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