大黒町 (横浜市)

大黒町の概要

大黒町（だいこくちょう）は、神奈川県横浜市鶴見区にある町名で、住居表示が実施されていますが、細かい丁目は設けられていません。この地域は、鶴見区の南部に位置し、河川や運河に囲まれた埋立地として形成されています。総面積は約2.155平方キロメートルで、この町全域は工業専用地域として指定されており、多くの工場や倉庫が立ち並ぶ独特な景観を持っています。町内には居住者はほとんどおらず、工業活動が主な存在となっています。

地理と交通

大黒町は、北側は大黒運河を挟んで生麦、東側は鶴見川を挟んで末広町、南側は大黒埠頭、西側は神奈川区の宝町と隣接しています。生麦との接続は大黒橋および大黒高架橋があり、宝町とは神奈川産業道路の寿老橋で連結されていますが、末広町とは橋で結ばれていない状態です。また、南北に首都高速神奈川5号大黒線の高架橋が通るものの、町内にはその出入口は存在しません。一方、鉄道は以前は貨物専用の新興駅が開設されていましたが、あえなく2010年に閉鎖されました。現在の主な公共交通手段は横浜市営バスで、鶴見駅前と大黒埠頭方面を結ぶ17系統、さらには生麦と新子安駅を結ぶ19系統が運行されています。

歴史と企業の進出

大黒町の歴史は、1928年から始まりました。横浜港の発展と周囲の工業地帯を拡大する目的で、神奈川県が埋立事業に乗り出し、1936年にはこの地が完成しました。新たに設置された大黒町の名称は七福神の一つ「大黒天」に由来しており、当時から縁起の良い名前として親しまれています。埋立の当初から多くの企業が進出しており、1926年には大阪セメント（現在の住友大阪セメント）が工場を設立しました。また、1930年代には保土谷化学工業や味の素製油、今では有名な日産自動車など、様々な企業が工場を構え続け、ここが工業地域として成長していく基盤が作られました。

第二次世界大戦の影響も受けましたが、戦後も工場用地の需要は高く、多くの企業がこの地に進出しました。1950年代からは大黒倉庫やコスモ石油の油槽所、さらには新亜細亜石油などが設立され、地域はますます工業化が進んでいきました。また、1960年代には大黒埠頭の造成が開始され、交通の便も強化されていきました。

現状と人口

現在、大黒町の正確な人口数および世帯数は公表されていないため、非常に少ないことが予想されています。これもこの町が主に工業専用地域として機能しているためです。仕事に従事する多くの人々は周辺地域から出入りしており、住まいを構える人が少ない状況です。

まとめ

このように、大黒町は地域振興と工業発展の面で重要な役割を果たしてきました。今後も、様々な企業との連携や地域の発展に向けた取り組みが期待されます。

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