天と地と SOUNDTRACK

『天と地と』

概要

『天と地と』（てんとちと）は、1990年6月1日に小室哲哉によってリリースされたサウンドトラックアルバムであり、同年6月23日に公開された角川映画『天と地と』に関連しています。このアルバムはEPIC・ソニーレコードからのもので、規格品番はESCB-1057です。

制作の背景

この作品は、小室が元々計画していたフルインストゥルメンタルのソロアルバム「Digitalian is eating breakfast」のコンセプトが、劇伴制作の依頼を受けて変化して生まれました。特に収録曲の「炎」は、ツアーの際に先行して披露されており、小室自身もこの劇伴制作がなければ、アルバムにはもっと多くのインスト楽曲が収録されていたと述べています。小室は劇伴制作にあたり、生オーケストラに対抗する形で、全てをシンセサイザーで制作するという新たなアプローチを選択しました。

角川春樹は、メロディ中心のデモテープではなく、完成に近い段階の迫力ある音色で構成されたデモを求めました。これに対する小室の理念は「印象に残るシンプルで強い曲」を生み出すことでした。

録音のプロセス

1989年4月から作曲を始め、全体が見通せるようになったのは翌年の4月でした。制作中は、試写を繰り返す中で小室が納得できない箇所があれば全てやり直すというまさに理想を追い求める姿勢で臨みました。録音は大宮ソニックシティを借り切り、特別な手法として、シンクラヴィアやサンプリング技術を用いて、和楽器の響きを生かしつつ迫力を出すことに力を注ぎました。

和太鼓のパートにおいては、生音を録音した後、さらにキーボードで加工し独自の厚みを出すなど、様々な工夫がされました。また、公開録音も行われており、ファンの声を音源に取り込むことで、臨場感を高める努力がなされました。本作では、CD用に曲を再録するなどの複数のトラックダウンが行われ、どの環境の映画館でも良い音質で体験できるよう配慮されました。

音楽性の探求

小室は、戦国時代を音楽で表現するのが難しかったため、サイエンス・フィクションの要素を取り入れて制作しました。特に映像編集やアフレコに関わることで、より深い音楽体験の創造に貢献しました。製作された楽曲は40曲以上に及び、細部までこだわった様々なテーマが描かれています。

小室は、自身の役割を重視しながら、各シーンに合った曲作りに励み、映像と音楽の統合を果たそうとしました。彼は、音楽制作を通して得た学びと満足感を表現しつつ、これからの映画と音楽の関係をより豊かにすることを願っていました。

クレジット

全曲の作詞、作曲、編曲は小室哲哉が担当し、様々な計画的な作業を経て多くのメンバーと協力して完成しました。彼の音楽制作に対する情熱と技術は、このアルバムを通して高く評価され続けています。

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