天ノ少女

天ノ少女

『天ノ少女』（からのしょうじょ）は、Innocent Greyより2020年12月25日に発売された18禁アドベンチャーゲーム。『殻ノ少女』（2008年）、『虚ノ少女』（2013年）と続く『カラノショウジョ』シリーズの最終章として、満を持して登場しました。

作品概要

本作は、シリーズの集大成として、過去作のストーリーやシステムを色濃く引き継いでいます。一部登場人物は『カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜』（2005年）から登場しており、シリーズを通してプレイすることで、より深く世界観を堪能できます。

過去作と同様に、体験版が本編の前日譚となっており、物語の導入を飾ります。ただし、過去作とは異なり、体験版の内容は本編2周目以降に組み込まれるという、新たな試みがなされています。また、過去作と比較して、濡れ場の量が少なく、回想モードも存在しないなど、演出面での変更点も見られます。

パッケージ版やサウンドトラックには、本編の後日譚を描いた短編小説やドラマCDが同梱されており、物語の余韻を楽しむことができます。さらに、発売日前後から2021年11月まで、公式サイトでドラマ音声が毎月配信されるなど、発売後も様々な展開が行われました。本編の音量設定画面で聞けるボイスサンプルの内容がクリア後に変化する、という隠し要素も存在します。

発売経緯

本作のタイトル発表は、2015年12月、Innocent Grey 10周年記念コンサート『神曲』にて行われました。当初は、『殻ノ少女』から『虚ノ少女』までほどの期間（5年）は要さないと告知されていましたが、最終的には『虚ノ少女』から7年、『殻ノ少女』からは12年の歳月を経て、2020年秋に発売日や公式サイトが公開され、同年12月に発売となりました。

発売までの間には、声優の引退や多忙によるキャスティング変更、過去作のリマスター版発売、同社『FLOWERS』シリーズの展開、2度の画展開催など、様々な出来事がありました。

ストーリー

物語は、前作『虚ノ少女』TrueEND直後の昭和33年と、そこから6年後の昭和39年を舞台とする前後編構成となっています。

「ヒンナサマ」や天恵会をめぐる事件が解決した昭和33年1月、行方不明となっていた朽木冬子の葬儀が執り行われます。しかし、主人公である時坂玲人は、未だに冬子というパラノイアから逃れられずにいました。

時を同じくして、『殻ノ少女』での事件で逮捕されていた芸術家・間宮心像が獄中死したという知らせを受けた玲人は、マリス・ステラに残された美術品の整理を依頼されます。そこで間宮の未発表作品、腕のない片翼の天使を描いた「天罰」を発見しますが、数日後、「天罰」の天使と同じ装飾を施された女性の遺体が発見されます。その女性、前園静はかつて真崎智之と共に画廊に勤めていた人物でした。玲人は事件の真相を追うことになります。

登場人物

本作では、新たな登場人物に加え、過去作から復帰した人物も登場し、物語を彩ります。公式サイトに掲載されていない人物も存在します。

スタッフ

企画：Innocent Grey
原画・監督：杉菜水姫
シナリオ：鈴鹿美弥
音楽制作：MANYO

反響

売り上げ

Getchu.comの2020年セールスランキングで46位を獲得しました。

人気投票

月間げっちゅ投票「このゲームはプレイしとけ！」2020年12月発売タイトル6位
萌えゲーアワード2020 年間ランキング26位、シナリオ賞金賞

関連商品

「天ノ少女 オリジナルサウンドトラック Caelum」（Innocent Grey、2021年1月29日発売）
霜月はるか、鈴湯、aya Suekiによるボーカル曲を収録。パッケージ版には短編小説が同梱されています。

関連項目

神曲 天国篇
調布飛行場
東京うど

外部リンク

公式サイト

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