天下一将棋会

天下一将棋会シリーズ：アーケード将棋ゲームの金字塔

コナミデジタルエンタテインメントが2010年より展開するアーケード将棋ゲーム『天下一将棋会』シリーズは、全国のプレイヤーとオンライン対戦できるe-AMUSEMENT対応が大きな特徴です。麻雀格闘倶楽部と同じ筐体を用いた本シリーズは、本格的な将棋ゲームでありながら、独特のゲームシステムと魅力的な演出で多くのプレイヤーを魅了しました。

天下一将棋会：シリーズの幕開け

2010年1月20日に稼働開始した初代『天下一将棋会』は、Bonanzaという強力な思考エンジンを搭載したコンピュータとの対戦や、全国のプレイヤーとの段位別オンライン対戦が可能です。対戦相手が見つからない場合はCPU戦となり、スムーズなプレイを実現していました。 e-AMUSEMENTサービスは2011年8月31日に終了しました。

天下一将棋会2：進化した将棋体験

2011年2月9日に稼働開始した『日本将棋連盟公認 天下一将棋会2』は、前作を大きく進化させました。最大の特徴は、日本将棋連盟所属のプロ棋士・女流棋士20名がゲームに登場し、対局を演出することです。渡辺明氏や羽生善治氏など、そうそうたる顔ぶれがゲームを彩りました。

さらに、e-AMUSEMENT CLOUD（現・コナステ）サービスの開始により、家庭用PCからゲームセンターのプレイヤーと対戦できるようになりました。Android版も2019年11月12日より提供開始され、より多くのプレイヤーが参加できる環境が整いました。PASELIにも対応し、利便性も向上しました。

多彩なゲームモードとシステム

『天下一将棋会2』では、全国順位戦、全国登竜門戦、CPU対局、店内真剣勝負など、様々なゲームモードが用意されています。全国順位戦はプロ将棋の順位戦を模倣したシステムで、A級からC級まで、実力に応じた対戦が可能です。CPU対局ではレベル25まで設定されたコンピュータと対戦でき、最高レベルはプロ棋士と同等の棋力を持つと謳われていました。

初心者向けのサポート機能として、「注目手」「注意手」「待った」機能などが搭載されており、初心者でも安心してプレイできるよう配慮されています。

ゲーム操作はタッチパネルで行い、直感的な操作が可能です。禁じ手は表示されず、スムーズなプレイを実現しています。200手を超えても決着がつかない場合は引き分けとなり、持ち時間は5分、秒読みは10秒です。ライフ制も導入されており、ライフが0になるとクレジット消費で回復するか、投了となります。

段位システムとランキング

級位から始まり、初段に昇格すると火鬼神、水鬼神、風鬼神、土鬼神といった属性が割り当てられます。段位は宝玉を47個集め、3連勝することで極位に昇格、さらに10連勝で天位に昇格します。宝玉数、連勝数、天位撃破数はランキングに反映され、上位プレイヤーには称号が与えられました。

独自の評価システムと演出

プレイヤーの指し手はコンピュータによって常に評価され、「輝手」「妙手」「定跡」などの評価が表示されます。これは、従来のアーケード将棋ゲームにはない画期的なシステムでした。

演出面も充実しており、対局開始から30手ごとに季節風景が変化する背景、BGM、玉の囲い完成時の演出、王手演出、そして決着時の演出など、視覚的にも楽しめる作りになっています。これらの演出は、プロ棋士である渡辺明氏からも高い評価を得ています。

イベントと大会

『天下一将棋会2』では、不定期で全国大会や様々なイベントが開催されました。KONAMI Arcade Championship(KAC)への参加や、『3月のライオン』とのコラボイベントなども行われ、プレイヤーの熱気をさらに高めました。大会では、プロ棋士が参加するケースもあり、多くのプレイヤーにとって特別な体験となりました。これらのイベントは、プレイヤーのモチベーションを維持し、長くプレイしてもらうための工夫と言えるでしょう。

まとめ

『天下一将棋会』シリーズは、本格的な将棋ゲームとして高い完成度を誇りながらも、独自のゲームシステム、魅力的な演出、そしてプロ棋士とのコラボレーションなど、プレイヤーを飽きさせない工夫が凝らされた作品でした。アーケードゲームとしての盛況に加え、オンライン対戦や家庭用PCへの対応など、時代の変化に対応した展開も評価できます。その革新的な試みは、後のアーケード将棋ゲームにも大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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