天外魔境ZERO

天外魔境ZERO

『天外魔境ZERO』は1995年12月22日にハドソンから発売されたスーパーファミコン専用のRPGです。シリーズのクリエイターである広井王子が企画と監修を手掛け、竹部隆司が監督を務めています。本作は、ゲーム内の要素がリアルタイムの現実世界の時間にリンクする斬新なPLG（パーソナル・ライブ・ゲーム）システムや、鮮やかなグラフィックが魅力の一つです。

概要

『天外魔境ZERO』は、スーパーファミコンの性能を活かした作品であり、ゲーム内のイベントがリアルタイムで進行するPLGS技術が特に注目されます。これにより、ユーザーごとに異なる体験ができるため、ゲームの貸し借りや中古市場への流出が難しいとされました。ストーリーは、日本神話を基にした設定で、既存の作品との直接的な関係は薄いですが、作品としての独自性を持っています。

本作はスーパーファミコン向けの「天外魔境シリーズ」唯一の作品であり、開発にあたっては、多くのクリエイターが参加しました。特に、前作『天外魔境 風雲カブキ伝』からのスタッフが多く引き続き参加しており、継承された制作技術とアイデアが反映されています。システムの進化と共に、リアルタイムクロックを利用したゲーム要素が、プレイヤーに新しい体験を提供しました。

システム・要素

本作ではいくつかの独自の要素があり、単体と合体巻物、キャラクターごとの独特な技、リアルタイムで育成されるペットなどが含まれます。巻物は一般的なRPGで見られる魔法に類似した要素ですが、組み合わせによって多様な技を繰り出すことができます。また、ペット育成にも力を入れており、リアルタイムでの餌やりが必要となり、人間関係を築く要素も兼ね備えています。

登場キャラクター

本作の主人公はヒガンをはじめとする主要キャラクターたちで、彼らはそれぞれ異なる武器や奥義を持っています。ヒガンは火の勇者としてジパングを救う使命を持つ少年であり、スバルは彼のサポート役である火の妖精です。テンジンは過去の軍団との戦いで活躍したキャラクターで、複雑な背景を持っています。物語の進行に伴い、彼らの成長や絆が描かれます。

ストーリー

物語の舞台は古代のジパングで、火熊国、孔雀国、鶴国、亀国、犬神国、竜王国の6つの国があり、それぞれの文化や神話が描かれています。主人公ヒガンは、ニニギという存在に立ち向かうため旅立ち、彼の仲間たちと共に成長しながら数々の困難を乗り越えます。この過程で、彼は友情や愛情、そして勇気を学び、最終的にはジパングを救うことが求められます。ストーリーは神話的な要素が盛り込まれ、プレイヤーはキャラクターたちの運命を共に体験します。

テレビ番組との連動

また、本作はフジテレビの深夜番組『冒冒グラフ』との連動企画が行われ、ゲームとテレビ番組が連動するユニークな企画が設けられました。番組内の発言をヒントに特定の行動を取ることで隠しイベントを解放するなど、プレイヤーに新たな楽しみを提供しています。

『天外魔境ZERO』はその独自のアイデアと多彩なシステム構築により、RPGの新たな可能性を切り開いた作品であり、プレイヤーにとっての記念碑的なタイトルとされています。

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