天寿園

天寿園

新潟市中央区清五郎に位置する天寿園は、広大な敷地に中国庭園と日本庭園を配したユニークな観光施設です。異なる文化圏の庭園が隣接して造られている点が大きな特徴となっています。

沿革

この庭園は、1988年（昭和63年）に糸魚川市に本社を置く谷村建設によって建設され、開園しました。建設地は、亀田郷土地改良区が所有していた清五郎潟北側の用地を埋め立てて造成されました。開園のきっかけの一つとして、谷村建設の社長が1984年（昭和59年）に中国の北京市へ日本庭園「翠石園」を寄贈した経験があります。この縁もあり、天寿園の中国庭園部分は北京市の全面的な協力を得て建設されました。

開園当初は入園料を徴収する有料施設として運営されていましたが、バブル崩壊後の不況の影響もあり、経営状況が悪化します。その結果、1994年6月に惜しまれつつ閉園するに至りました。この閉園に伴い、同社が手掛けていたNEXT21内のレストラン事業なども整理されることとなりました。

しかし、天寿園はその後、1995年に新潟市が取得し、市有の施設として管理されることになりました。同年8月には一般への無料開放が始まり、再び多くの人が訪れることができるようになりました。

庭園の構成

天寿園の魅力は、対照的ながら調和のとれた二つの庭園です。

中国庭園: 北京市園林局の技術者が設計を手がけました。設計にあたっては、中国の皇族が利用した園林などが参考にされており、伝統的な中国庭園の様式美が取り入れられています。園内は、趣の異なる8か所の風景区によって構成され、変化に富んだ景観を楽しむことができます。
日本庭園: こちらは、日本を代表する作庭家の一人である中根金作氏が設計しました。穏やかな山水庭園の様式で造られており、池泉を中心に配置された石や植物が日本の自然美を表現しています。庭園の中心には、建築家・村野藤吾氏が設計に関わったとされる「瞑想の館」が静かに佇んでいます。

このほか、庭園内には軽食などを提供するレストハウスや、「椅子の美術館」といった付帯施設も備えられ、開園当初から訪れる人々に様々な楽しみを提供していました。

関連する計画

天寿園の建設・開園と同時期には、新潟市が友好都市である中国・ハルビン市との間で「庭園交換」の計画を進めていました。これは、鳥屋野潟の南部に中国庭園を建設するというものでしたが、最終的に天寿園の計画と一本化されることはありませんでした。

交通アクセス

新潟交通 S7 スポーツ公園線（新潟駅南口発着） 「天寿園前」バス停より徒歩すぐ
国道8号（新潟バイパス）女池ICより車で約7分
磐越自動車道 新潟中央ICより車で約3分

周辺施設

天寿園は、新潟市内の主要な施設が集中するエリアに近接しています。

鳥屋野潟公園
新潟県スポーツ公園
新潟スタジアム（ビッグスワン）
新潟県立野球場
いくとぴあ食花
新潟市産業振興センター
新潟市アイスアリーナ

関連人物

天寿園の建設にあたっては、当時の亀田郷土地改良区理事長であり、新潟県日中友好協会会長も務めていた佐野藤三郎氏が、土地利用や日中間の協力において全面的な支援を行いました。

現在、天寿園は新潟市の管理のもと、市民や観光客が気軽に訪れることができる憩いの場として親しまれています。

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