天岩戸神社

天岩戸神社

天岩戸神社（あまのいわとじんじゃ）は、宮崎県西臼杵郡高千穂町に位置する神社で、岩戸川を挟んで東本宮と西本宮が存在します。この神社は、旧社格が村社で神社本庁の別表神社に指定されています。 神社の名は西本宮が拝する天岩戸に由来し、昭和45年に両本宮が合併して現在の名称になりました。それ以前は、西本宮が「天磐戸神社」、東本宮は「氏神社」として知られていました。

神社の祭神

西本宮には、大日孁尊（おおひるめのみこと）が祭られており、これは天照大神の別名です。この神社は、日本の神話に登場する「天岩屋」と呼ばれる岩窟を神体としており、岩戸川対岸の断崖の中腹に位置しています。西本宮の御旅所には、天鈿女命などの配祀神が7柱祀られています。一方、東本宮には天照皇大神（あまてらすすめおおみかみ）が祭られ、これは皇祖神とされています。

歴史的背景

天岩戸神社の両本宮は、もともとは独立した神社でしたが、どちらも天照大神を祀るものであり、地域の信者から強い信仰を受けてきました。西本宮は、瓊瓊杵尊が天岩戸にちなんで建てたとされ、長い歴史の中で何度も再興されています。しかし、元禄4年の『高千穂旧記』には簡素な遥拝所としての記載があり、神社としての存在感は薄かったようです。

東本宮も起源は不明ですが、昌泰年間に思兼神が天岩戸から出御した記録が残っています。

両社は戦後に神社本庁に組織され、昭和45年に合併しました。このように、天岩戸神社は長い歴史を持ちながら、地元住民の信仰の根を受け継いでいます。

神事と祭り

天岩戸神社ではいくつかの祭りが行われています。春の西本宮祭（5月2・3日）は、初日に式典が行われ、2日目には神輿が東本宮に神霊を遷す神幸式が斎行されます。秋の東本宮祭（9月22・23日）は、収穫への感謝を示し、手順は春の祭りと似ています。

他にも、国の重要無形民俗文化財に指定された天岩戸夜神楽の奉納や、各地域で行われる夜神楽も特色があります。

社殿の特徴

東本宮の本殿は神明造りに造営されており、昭和31年に建設されました。西本宮は本殿を持たず、特有の造りで、拝殿左脇には切妻造りの御旅所が設置されています。歴史的な建築物の一部は神楽殿として保存されています。

文化財と境内の見どころ

天岩戸神社では、町指定の文化財である天岩戸神社石灯籠や出土品、古代イチョウなどが存在し、境内には歴史ある遺物や自然が楽しめます。特に、神社では特別な拝観許可を受けた後に、遠く目にすることのできない天岩戸を直接拝むことができる場所も設けられており、一般の参拝者には貴重な体験となります。

アクセスと周辺の名所

天岩戸神社には宮崎交通の高千穂バスセンターからの便利なアクセスがあります。また、周辺には天安河原や天の浮橋、神楽尾などの観光名所もあり、日本神話の世界に浸ることができるスポットが点在しています。参拝後は、神社の授与所で御朱印をもらうこともお忘れなく。

天岩戸神社は、ただの観光スポットではなく、そこに根付く信仰や立地の重要性を実感できる場所です。訪れる人々は、その神聖な雰囲気に触れ、歴史的な価値を感じることでしょう。

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