天川原町

天川原町

群馬県前橋市に位置する「天川原町」は、「あまがわばらまち」と読みます。この地名は、天川原町本体に加え、天川原町一丁目および天川原町二丁目の区域を含みます。郵便番号は371-0803です。

地理

天川原町は、前橋市の南部に位置し、市内を流れる利根川の左岸、前橋台地の南縁に広がっています。町の総面積は、2013年時点でおよそ0.47平方キロメートルでした。このうち、丁目を持たない天川原町本体はごくわずかな面積（0.0016平方キロメートル）であり、地域の面積と人口の大部分は天川原町一丁目および二丁目に集中しています。

地名の由来

地名の起源については、東に隣接するかつての天川村（現在の天川町の一部）と同様に、かつてこの地域を流れていた利根川（利根川の流路変更後は広瀬川の流路となった部分）が「天川」と呼ばれていたことに由来すると推測されています。その「天川」の近くに広がっていた原野が「天川原」と呼ばれ、それが地名になったと考えられています。

歴史

天川原町の歴史は古く、江戸時代には天川原村として存在していました。興味深いのは、前橋城の城下町として発展した片貝町、十八郷町、榎町、萱屋町、紺屋町、鍛冶町、白銀町、そして本町といった地域が、かつては天川原村の中に含まれていたとする説があることです。これは、天川原村からこれらの町へ人々が移住したか、あるいは村から町の土地が提供されたことによると推測されています。

近代に入ると、地域の区分けに変化が生じます。

1889年（明治22年）に町村制が施行されると、天川原村の大部分は東群馬郡上川淵村の一部となり、残りの一部は前橋町に編入されました。
1892年（明治25年）、前橋町が市制を施行して前橋市となると、旧前橋町域の天川原は前橋市の大字「天川原」となりました。
1901年（明治34年）には、上川淵村に残されていた天川原の区域も、周辺の地域とともに前橋市に編入されました。
その後、1910年（明治43年）には前橋市の大字天川原から「前橋市天川原町」へと名称が変更されました。

高度経済成長期には、市街地の拡大に伴い大規模な住居表示の実施が行われます。

1962年に住居表示に関する法律が制定されたことを受け、前橋市では1965年から1967年にかけて町名の再編が進められました。
1966年（昭和41年）には、天川原町の広範囲が新しい地名に移行しました。特に、両毛線より北側の区域は、本町三丁目や表町二丁目のそれぞれ一部となりました。
続く1967年（昭和42年）には、市道南部線より北側の区域のうち、群馬県道2号線より西側が南町三丁目および南町四丁目の各一部に、東側が文京町一丁目、文京町二丁目、文京町三丁目のそれぞれ一部となりました。

これらの変更により、天川原町としての区域は大幅に縮小されます。

1999年（平成11年）には、六供町一丁目、六供町四丁目、そして新たに設置された天川原町一丁目、天川原町二丁目の各一部となる変更が行われ、同日をもって丁目を持たない「天川原町」は消滅しました。
* 比較的新しい動きとしては、2023年（令和5年）に六供町の一部が天川原町に編入されています。

世帯数と人口

2017年（平成29年）8月31日現在の世帯数と人口が確認されていますが、具体的な数値は提供されていません。

小・中学校の学区

市立の小・中学校へ通学する場合の学区は定められていますが、その詳細な区域は情報に含まれていません。

交通

天川原町内には鉄道駅は設置されていません。公共交通としては、前橋市が運営するコミュニティバス「マイバス」の東循環線が運行されており、地域の交通を担っています。主要な国道や県道は、町内を通過していません。

施設

町内に所在する主な施設として、群馬県立聾学校が挙げられます。

出典・参考文献

本項目の記述にあたっては、『角川日本地名大辞典 10 群馬県』（「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編、角川書店、1988年）を参照しています。

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