天満大池公園

天満大池公園：歴史と自然が息づく憩いの場

天満大池公園は、兵庫県加古郡稲美町に位置する、天満大池を整備して作られた公園です。天満大池は、総貯水量47万6000立方メートル、満水面積34.6ヘクタールを誇る、広大な農業用ため池であり、約193.5ヘクタールの農地の灌漑を支えています。2010年には、農林水産省の「ため池百選」にも選定されました。

古代から続く歴史

天満大池の原形である岡大池は、飛鳥時代後期の675年頃に築造されたと推測され、兵庫県下で最も古い溜池とされています。平安時代の寛平年間には、国安天満神社が現在地に移設され、池大明神が主祭神として祀られるようになったという伝承も残っています。

南北朝時代には、律僧が大池に棲む龍を鎮めるために弁財天を祀るように指示したという伝説も存在します。日本史研究者の金子哲氏は、真言律宗の勢力によって14世紀末に天満大池の本格的な改修事業が行われたと主張しており、文観房殊音による開拓事業がその発端になったと考えています。

近代の改修とバイパス工事

天満大池は、1945年の阿久根台風で決壊しましたが、その後改修されました。2019年からは、宗佐土山線天満大池バイパス整備事業が進められており、池を南北に貫く全長960メートルのバイパス道路が建設中です。このバイパスは、交通量の多い県道の危険性を解消するために計画されましたが、自然や景観への影響を懸念する声も上がっています。

天満神社の伝統行事

池の北側には天満神社が隣接しており、秋祭りでは、神輿を池に投げ入れ、氏子が池の中へ飛び込むという珍しい行事が行われます。これは、五穀豊穣と池の満水を祈願する伝統的な神事です。

自然との共生

天満大池には、絶滅危惧種であるアサザが自生しており、観察会や里親プロジェクトなどの保全活動が行われています。また、多くの野鳥が生息する場所でもあります。公園内には、弁財天が祀られた中之島や、遊具、あずまや、バーベキューサイトなどが整備されており、市民の憩いの場として親しまれています。ビオトーププランにより、自然の水辺を復活させる試みも行われています。

アクセス

• - 鉄道：JR土山駅からタクシーで約10分
• - 自動車：第二神明道路 明石西インターチェンジから約2km

天満大池公園は、古代からの歴史と豊かな自然が調和した、魅力的なスポットです。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してください。

参考

日本の溜池数ランキング（2014年データ）

1. 兵庫県：43,245
2. 広島県：19,609
3. 香川県：14,619
4. 大阪府：11,077
5. 山口県：9,995

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