天野勇剛

天野 勇剛（あまの ゆうごう）氏は、1977年12月11日に宮城県仙台市で生まれ、在日韓国人として、プロ野球選手時代は千葉ロッテマリーンズでプレーしました。韓国での活動時には本名の金 勇剛（キム・ヨンガン）として登録されました。

野球との出会いは小学校4年生の時。その後、中学校2年生からは内野手として本格的にプレーを始めます。高校時代には、1994年夏、1995年春、夏の甲子園に三度出場。2年時には内野手として主に遊撃を守り、3年時には投手としてもチームを支えました。

1996年、プロ野球への扉を開き、千葉ロッテマリーンズに投手として入団します。しかし、わずか1年足らずで内野手へのコンバートを決断。俊足とパワーを兼ね備えた打者として将来を嘱望されましたが、一軍の舞台では期待された成績を残すまでには至りませんでした。特筆すべきは、プロ入り後に度重なるポジション変更を経験し、投手を除く野手の全ポジション、計9つのポジション全てを守ったという極めて珍しい経歴です。一軍での出場は通算25試合にとどまりましたが、その中でも三塁、一塁、遊撃、外野を守りました。一方、二軍では2年目から中軸である4番を任され、通算で50本以上のホームランを記録するなど、その打撃力を見せつけました。1999年9月には、二軍ながらもその活躍が評価され、月間MVPに選ばれています。

一軍での初舞台は1999年9月29日、千葉マリンスタジアムで行われた西武ライオンズ戦でした。この試合に「7番・三塁手」として先発出場し、初めての打席では西武の松坂大輔投手からライトへ二塁打を放ち、プロ初安打を記録しました。翌9月30日の同カードでは、8回に谷中真二投手からレフトへ適時二塁打を放ち、プロ初打点を挙げます。さらに、10月2日の日本ハムファイターズ戦では、ラファエル・オレラーノ投手からライトスタンドへ先制2ランを放ち、待望のプロ初本塁打をマークしました。

ロッテ在籍中の背番号は「66」でした。登録名は入団から2001年までは本名の「天野 勇剛」、2002年から戦力外通告を受ける2005年まではカタカナの「ユウゴー」としてプレーしました。

2004年12月には結婚し、翌2005年には第一子を授かりますが、同年オフに球団から戦力外通告を受け、ロッテを退団しました。

2006年には活躍の場を韓国に移し、韓国野球委員会（KBO）のロッテ・ジャイアンツに入団します。この時の登録名は本名の「金 勇剛」でした。しかし、残念ながら一軍での出場機会を得ることなく、同年限りで退団し、日本へ帰国しました。

プロ野球引退後は、多様なキャリアを歩んでいます。2007年には総合格闘技興業「MARS」の代表に就任。同興業でエグゼクティブ・プロデューサーを務めていた天野勇気氏は実兄です。天野氏自身も大会のリングアナウンサーを務めるなど、格闘技界でもその存在感を示しました。

その後は芸能界にも関わり、YGプロモーションという芸能プロダクションでプロデューサーとして活動していました。一時期はスポーツ用品店に勤務していましたが、2018年12月1日には東京都新宿区歌舞伎町に自身の店舗であるカラオケ＆ダーツバーを開業。現在は経営者として新たな道を歩んでいます。

プロ野球界での異色のキャリアから、格闘技、芸能、そして飲食業へと、その活動の幅を広げ続ける人物です。

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