天野雅敏

天野雅敏

天野雅敏（あまの まさとし、1948年 - ）は、日本の経済学者、歴史学者です。岡山商科大学経営学部商学科教授、神戸大学大学院経済学研究科教授を歴任しました。専門は近代日本経済史です。1988年に神戸大学から経済学博士号を取得しています。また、経営学者である天野倫文（元東京大学准教授）は実子です。

略歴

天野雅敏は、和歌山大学経済学部を卒業後、神戸大学大学院経済学研究科修士課程を修了しました。その後、同大学院の博士課程を単位取得退学しています。職歴としては、東京都立商科短期大学講師、助教授、愛媛大学法文学部助教授、教授、神戸大学経済学部教授、神戸大学大学院経済学研究科教授を経て、岡山商科大学経営学部商学科教授に就任しました。

研究内容

専門分野である近代日本経済史において、天野雅敏は特に以下のテーマに関する研究を行っています。

産業史: 近代移行期における産業構造の変化や、特定の産業（例：阿波藍）の発展過程を分析しています。
貿易史: 戦前期における日本とオーストラリアの貿易関係、特に兼松商店と三井物産の役割を研究しています。
経営史: 近世から近代にかけての経営組織や経営戦略の変遷を考察しています。

これらの研究を通じて、日本の経済発展の歴史的背景や、経済組織のダイナミズムを解明しようと努めています。

著書

天野雅敏は、単著、共編著、訳書など、数多くの著作を発表しています。主要な著作は以下の通りです。

単著

『阿波藍経済史研究　近代移行期の産業と経済発展』（吉川弘文館、1986年）
阿波藍という特定の産業を題材に、近代移行期における産業構造の変化と経済発展の関連性を論じています。
『戦前日豪貿易史の研究　兼松商店と三井物産を中心にして』（勁草書房、2011年）
戦前期の日豪貿易に焦点を当て、兼松商店と三井物産の活動を分析し、貿易構造と企業戦略の関係を考察しています。

共編著

（安岡重明）『近世的経営の展開』<日本経営史1>（岩波書店、1995年）
日本経営史の視点から、近世的経営の展開について考察しています。
（井川一宏）『兼松資料目録　神戸大学経済経営研究所所蔵』（神戸大学経済経営研究所附属経営分析文献センター、1999年）
神戸大学経済経営研究所に所蔵されている兼松資料の目録を作成し、研究に資する資料を提供しています。
（林玲子）『東と西の醤油史』（吉川弘文館、1999年）
醤油という特定の食品を題材に、東と西の地域における歴史的変遷を分析しています。
（林玲子）『日本の味醤油の歴史』（吉川弘文館、2005年）
醤油の歴史を詳細に追跡し、日本の食文化における役割を明らかにしています。
（安藤精一・高嶋雅明）『近世近代の歴史と社会』（清文堂出版、2009年）
近世から近代にかけての歴史と社会の変遷を考察しています。

訳書

（重富公生・小瀬一・北原聡）E・L・ジョーンズ『経済成長の世界史』（名古屋大学出版会、2007年）
経済成長の世界史を、E.L.ジョーンズの視点から紹介しています。

刊行史料

（井川一宏）『兼松商店史料 第2巻』<兼松資料叢書　商店史料2>（神戸大学経済経営研究所、2007年）
兼松商店の歴史的資料を編集し、研究者に提供しています。

外部リンク

歴史分析・天野　雅敏｜神戸大学大学院経済学研究科　神戸大学経済学部

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