太平洋行進曲

「太平洋行進曲」は、1939年（昭和14年）にビクターレコードから発売された軍歌です。作詞は横山正徳、作曲は布施元が担当し、海軍省選定歌として、またラジオ番組『国民歌謡』でも広く放送されました。この楽曲は、ビクターレコードから3種類の異なる歌手、編曲、カップリング曲のバージョンが順次発売された点が特徴です。

概要

この楽曲は、公募懸賞によって提供された作品です。1939年2月18日から3月15日の期間、海の記念日（7月20日）の復活制定を記念して、大阪毎日新聞と東京日日新聞が海軍省の後援のもとで歌詞と曲を募集しました。その結果、28,000通もの応募の中から、横山正徳と布施元の作品が選ばれました。この選定が「太平洋行進曲」の誕生につながりました。

オリジナル盤バージョン

「太平洋行進曲」は、複数のバージョンでレコードが発売されました。以下に、それぞれの詳細を記します。

旧レコード番号 J-54700
1939年5月10日（首都圏発売日、その後全国で順次発売）に「7月新譜臨時発売」としてリリースされました。歌は藤原義江と四家文子が担当しました。
B面には『海の勇者』（作詞：天口龍、作曲：飯田信夫）が収録されています。このB面は、徳山璉、中村淑子、由利あけみ、新田八郎が歌唱を担当しました。
旧レコード番号 J-54701
歌唱は徳山璉と波岡惣一郎が担当しました。
B面には、斉藤丑松作曲の『行進曲「太平洋」』が収録されています。
旧レコード番号 J-54702
歌唱は徳山璉、中村淑子、由利あけみ、波岡惣一郎が担当しました。
* B面にも同じく『太平洋行進曲』が収録されており、平山美代子、中山梶子、奈良原馥、鈴木安江が歌唱を担当しました。

復刻状況

「太平洋行進曲」は、LPレコードなどで復刻されています。CDでは、旧レコード番号J-54700とJ-54701のバージョンは復刻されていますが、J-54702のバージョンは復刻されていません。

この楽曲は、当時の時代背景と音楽文化を反映した貴重な資料と言えるでしょう。特に、複数のバージョンが存在することから、当時のレコード文化や音楽の多様性を知る上で重要な作品です。

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