太田美實

太田美實（おおた よしみ）

プロフィール

太田美實は、1924年11月1日に京都府で生まれ、2015年1月16日に90歳で亡くなった日本の医師、馬主です。内科、小児科、泌尿器科の専門医として、長年にわたり地域医療に貢献しました。また、京都馬主協会に所属する馬主としても知られ、1993年の東京優駿（日本ダービー）を制したウイニングチケットなどを所有していました。妻は元タカラジェンヌの太田珠々子です。

経歴

京都大学医学部を卒業後、太田医院を開業しました。1993年には東山医師会の会長を務めるなど、地域医療の発展に尽力しました。2015年1月16日、心不全のため90歳で生涯を閉じました。

馬主としての活動

太田美實は、日本中央競馬会（JRA）および地方競馬全国協会（NAR）に登録された馬主としても広く知られています。勝負服の柄は赤、水色一本輪、袖黄縦縞で、これは最初に所有馬を預託した調教師によって決められました。冠名には、妻の名前「スズ子」にちなんだ「ベル」と、自身の特徴である「頭髪が上がっている」ことから「トップ」を組み合わせた「ベルトップ」を使用していましたが、成績が振るわなかったため、後に使用しなくなりました。

学生時代から競馬好きだった太田美實は、最初の所有馬を調教師に預託し、その調教師の姓と父の名前を組み合わせた「マツハード」という馬を所有していました。妻の珠々子も馬主であり、かつては異なる勝負服を使用していましたが、太田美實の死後、夫の勝負服と所有馬を引き継ぎました。

エピソード

競馬場では、常に100円単位で馬券を購入していたことから、「ミスター100円」と呼ばれていたそうです。勝負服の色が、大澤毅の所有馬と似ていたため、太田自身も間違えることがあったと語っています。ファンとともに北海道の牧場を巡るバスツアーを企画し、2008年までに11回開催していました。1993年にウイニングチケットでダービーを制覇した際には、優勝杯を抱えて電車で帰宅したことが週刊誌で報じられ、「ケチな馬主」と揶揄されたこともありました。

来歴

1969年10月24日 - 馬主資格を取得。
1993年 - ウイニングチケットが弥生賞で初の重賞制覇。同年の東京優駿（日本ダービー）も制し、GI及びクラシック競走初制覇を達成。

主な所有馬

GI級競走優勝馬

ウイニングチケット （1993年弥生賞、東京優駿、京都新聞杯）
エイジアンウインズ（2008年阪神牝馬ステークス、ヴィクトリアマイル）
ローマンレジェンド（2012年エルムステークス、みやこステークス、東京大賞典、2014年エルムステークス）

重賞競走優勝馬

ロイヤルタッチ（1995年ラジオたんぱ杯3歳ステークス、1996年きさらぎ賞）

その他の所有馬

シャワーパーティー（2000年京都3歳ステークス）
ワンダーボーイ（2002年クローバー賞）

太田珠々子の所有馬（美實から名義変更）

マイエンブレム（2009年六甲盃）
ダンスディレクター（2016年、2017年シルクロードステークス）
ローマンレジェンド

参考文献

『日本医籍録 第25版（昭和32年）西日本版』（医学公論社、1957年）
『優駿』1993年8月号（日本中央競馬会、1993年7月）
「杉本清の競馬談義 (101) ゲスト・太田美実さん」
『週刊競馬ブック』2008年6月4日号
芦谷有香「芦谷有香のオーナーサロン vol.301 エイジアンウインズの太田 美實氏 インタビュー」
『競馬王のPOG本 2013~2014』（白夜書房、2013年6月）
「太田美實オーナーインタビュー」

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