太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2021

女子ラグビーにおける国内最高峰のシリーズ戦として位置づけられる「太陽生命ウィメンスセブンズシリーズ2021」は、2021年5月1日から6月27日までの期間にわたり開催されました。日本ラグビーフットボール協会の主催、そして太陽生命保険の特別協賛のもと、全国各地4ヶ所の会場を転戦するサーキット方式で実施。

高校、大学、クラブそれぞれの単独または合同で編成されたチームが出場し、2014年に始まった本シリーズにとって、前年の2020年大会が新型コロナウイルス感染症の影響で中止されたため、2年ぶり7回目の開催となりました。

本大会には、国内の女子7人制クラブチームの中でも特に実力のある12チームが「コアチーム」として参加しました。しかし、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、この年の大会運営にも大きな影響を及ぼしました。各大会では、感染拡大防止のための様々な措置が講じられました。開幕戦となった第1戦の東京大会は無観客での開催を余儀なくされ、続く第2戦の静岡エコパ大会ではスタジアムの収容率50％以下、第3戦の熊谷大会では5,000人以下、そして第4戦の鈴鹿大会ではメインスタンド側座席の50％にあたる1,500人以下と、段階的に入場者数の制限が設けられました。

有観客で開催された大会では、他のイベントと同様に厳格な感染予防対策が実施されました。具体的には、入場時の検温や、座席を1席以上空けるなど観客同士の間隔を確保すること、声を出しての応援やタオルマフラー・旗を振る行為の禁止、選手との接触を避けることなどが求められました。また、観戦者の氏名、住所、連絡先、健康状態といった情報の申告も必要となりました。さらに、シリーズ終了後に行われる入替戦も、この年は実施されませんでした。

参加チームの面でも、コロナ禍の影響が見られました。北海道バーバリアンズディアナは、政府による緊急事態宣言や都道府県間の移動自粛要請などを考慮し、第1戦から第3戦までの出場を辞退しました。また、第4戦ではRKUグレースが、母体となる流通経済大学からの活動停止および外出禁止指示を受けて出場を取りやめました。これにより、多くの大会が11チームでの実施となり、大会形式の一部変更（下位トーナメントを総当たり戦に変更など）を伴いました。

大会は各会場で2日間にわたって行われました。初日は予選プール戦、2日目にはその結果に基づいた順位決定トーナメントが行われる方式です。試合時間は前後半それぞれ7分、間に2分間のハーフタイムを挟んで行われました。予選プールでは、4チームずつ3つのプールに分かれ、各チームが3試合の総当たり戦を実施。試合結果に応じて勝ち点が与えられ（勝利3点、引き分け2点、敗戦1点）、勝ち点合計や得失点差など規定に基づいてプール内の順位が決定されました。2日目のトーナメントでは、予選プールの上位チームが優勝を争う「カップトーナメント」、下位チームによる順位決定戦が行われました。ノックアウト方式の試合で同点となった場合は、サドンデス方式の延長戦により勝敗を決しました。

各大会の順位に応じてシリーズポイントが付与され、全4大会終了時点での合計ポイントによって年間の総合順位が確定します。シリーズ総合優勝、準優勝、3位のチームにはトロフィーが授与され、最も活躍した選手には年間MVPが贈られます。2021シリーズの年間総合優勝は、ながとブルーエンジェルスが獲得し、2019シリーズに続く2度目の栄冠に輝きました。また、年間MVPには、ながとブルーエンジェルス所属のファタシンプキンズ・カタリナ選手が選ばれました。

全試合は、日本ラグビーフットボール協会の公式YouTubeチャンネル「JAPAN RUGBY TV」でライブ配信され、多くのファンがリモートでの観戦を楽しみました。

本シリーズは、特別協賛として太陽生命保険が、そして青南商事、凸版印刷、TANAKAホールディングスなどが協賛企業として大会を支えました。また、特定の大会にはマッチスポンサー（第2戦：ヒト・コミュニケーションズ、第4戦：住友電装）もつきました。

この2021シリーズは、コロナ禍という困難な状況下でありながらも、選手たちの熱戦と関係者の尽力により、女子7人制ラグビーの魅力を伝える貴重な機会となりました。

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