太陽系の衛星の一覧

太陽系の自然衛星

太陽系には、惑星や準惑星の周りを公転する多数の自然衛星が存在します。2024年2月23日時点で、確認されている自然衛星は288個、準惑星を公転する衛星は9個に上ります。これらの衛星の中には、もし太陽を直接公転していれば、惑星や準惑星に分類される可能性のあるほど大きなものも存在します。少なくとも19個の衛星は、ほぼ球形を保つほど十分な質量を持っています。

衛星の分類

衛星は、その軌道特性によって大きく2つのカテゴリーに分類されます。

規則衛星: 主星の公転面とほぼ同じ面を公転し、軌道はほぼ真円を描きます。
不規則衛星: 主星の公転面から大きく傾いた軌道をもち、軌道は楕円形になることが多いです。不規則衛星の多くは、主星の重力によって捕獲された小惑星であると考えられています。これらの衛星のほとんどは、大きさが10kmにも満たない小さなものです。

衛星発見の歴史

月以外で最初に発見された衛星は、ガリレオ・ガリレイが発見したガリレオ衛星です。その後、3世紀にわたり、いくつかの衛星が発見されました。1970年代には、ボイジャー1号と2号による観測により、衛星の発見数は爆発的に増加しました。2000年代からは、地上の光学望遠鏡によってさらに多くの衛星が発見されましたが、それらはすべて不規則衛星でした。

各天体の衛星

水星

水星には、現在までに衛星は確認されていません。1.6km以上の大きさの衛星は存在しないと考えられています。

金星

金星にも衛星は確認されていませんが、過去には金星の衛星を発見したという報告が度々ありました。

地球

地球には、月という大きな衛星があります。また、クルースンやYORPのような準衛星も存在します。

火星

火星には、フォボスとダイモスという2つの小さな衛星が存在します。

木星

木星には、現在までに95個の衛星が確認されています。そのうち、木星に近い8個の規則衛星は、ガリレオ衛星とアマルテア群に分類されます。その他の87個は不規則衛星で、順行と逆行軌道を持つものがあります。

土星

土星には、146個の衛星が確認されており、太陽系の惑星の中で最も多い衛星を持つ惑星です。その多くは小さな不規則衛星ですが、タイタンを含む7つの衛星は十分な大きさを持っています。24個の規則衛星には、神話のサートゥルヌスに関連する巨人の名前が付けられています。また、土星の環は、小さな氷の天体で構成されており、環の中や近くを公転する衛星は、環の小天体が集まって形成された可能性があります。

天王星

天王星には、28個の衛星が確認されています。そのうち5つの大きな衛星は「五大衛星」と呼ばれています。天王星の衛星は、他の惑星とは異なり、神話ではなく、シェイクスピアなどの作品に登場する人物から名付けられています。

海王星

海王星には、16個の衛星が確認されています。その中で最も大きいトリトンは、海王星の全衛星の質量の99.5%を占めています。トリトンは、太陽系最大の逆行衛星であり、海王星に捕獲された天体である可能性が示唆されています。

準惑星

冥王星: 5つの衛星が確認されており、その中で最大のカロンは冥王星の半分以上の大きさがあり、二重惑星として扱われることがあります。
ケレス: 衛星は確認されていません。
ハウメア: ヒイアカとナマカという2つの衛星を持ちます。
マケマケ: 2016年に「MK2」という衛星が発見されました。
エリス: ディスノミアという1つの衛星が確認されています。

一覧表について

衛星は、ギリシャ数字による番号順に記載されています。太陽を直接公転していれば準惑星などに分類されていたかもしれない大きさを持つ衛星は太字で、小型望遠鏡でも観測できる衛星は斜体で示されています。また、不規則衛星の軌道要素は、JPLの計算による数値積分結果を平均化した固有軌道要素を使用していますが、最近発見された衛星などについては、接触軌道要素が斜体で示されています。

脚注・出典など

詳細については、以下の関連情報も参照ください。

太陽系
火星の衛星
木星の衛星
土星の衛星
天王星の衛星
海王星の衛星
冥王星の衛星
小惑星の衛星
ウィキメディア・コモンズには、太陽系の自然衛星に関するカテゴリがあります。

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