奈良県立商業高等学校

奈良県桜井市河西に位置する県立の商業高等学校、「県商」（ならけんしょう）と通称されます。

概要

本校は、地域経済の活性化に貢献できる有為な商業人材の育成を目指しています。学習指導だけでなく、生徒の多様な能力開発にも力を入れており、2024年度からは、アーチェリー部と陸上競技部が奈良県教育委員会によって「スポーツ・文化活動推進校」に指定されました。これにより、専門的な知識や技能を持つ教員が継続的に配置され、これらの部活動における指導体制が強化されています。

教育理念・方針

変化の速い現代社会においても主体的に学び、たくましく生き抜く力を持ち、地域経済の発展に貢献・活躍できる商業のスペシャリスト育成を使命としています。この使命を果たすため、以下のような教育方針に基づき、生徒を多角的に育成します。

生徒の受け入れ: 基本的な生活習慣を身につけ、社会に対応する資質やビジネスマナーを習得しようと努力する生徒、商業分野への強い興味を持ち、資格取得に意欲的な生徒、自ら目標を設定し達成のために最後までやり遂げる生徒、中学校での活動に積極的に取り組み、高校でも継続する意思のある生徒を歓迎します。
カリキュラム: 設置された4つの学科それぞれの専門性を活かした教育を展開します。未知の状況に対応できる思考力や表現力を育むため、基礎学力の定着と主体的な探究学習を重視した授業を行います。また、販売実習や課題研究などを通して、地域社会との連携・協働による実践的な学びを提供し、専門知識・技能を活用する力を養います。ICT機器の積極的な活用を推進し、時代の変化に対応できる教育環境を整備。生徒の興味・関心に応じた学習を通して、将来社会で必要とされるコミュニケーション能力、企画力、創造力といったビジネススキルを磨きます。
育成目標: ビジネス教育全体を通して、豊かな人間性、社会性、そして社会の変化に適応する能力を育成します。商業に関する専門的な知識と技能に加え、問題解決能力を身につけ、組織や社会において生涯にわたり主体的に行動できる人材を育てます。ビジネスマナーやコミュニケーション能力を高め、他者と協力して目標を達成する力を養います。また、学業、倫理、体力のバランスの取れた成長を促し、地域社会の活性化に貢献できる人材育成を目指します。

校訓

本校の校訓は「自由」「自立」「責任」です。自己の無限の可能性を信じ、既成概念にとらわれない自由な心で夢を描く「自由」。常識、知識、品性を備え、果敢に挑戦し行動する「自立」。そして、自立した人間として、社会や自己に対する義務を果たす「責任」を重んじます。

沿革

本校は、奈良県立高校再編計画に基づき、2021年4月に開校しました。その前身は、2004年4月に奈良県立桜井商業高等学校（桜商）と奈良県立志貴高等学校（志貴高）が統合して新設された奈良県立奈良情報商業高等学校（奈情商）です。奈情商は桜商の校地・校舎を継承し、2021年度から生徒募集を停止し、2023年度末をもって閉校しました。

奈情商の沿革における主な出来事として、2004年6月の設置条例公布、2005年4月の開校と第1回入学式、2006年12月の特別教室棟竣工などがあります。また、2012年には国際流通ビジネス科が流通ビジネス科に改編され、同年10月には創立50周年記念式典が挙行されました。2018年10月に本校の設置条例が公布され、2021年4月に開校に至りました。

象徴

校章

本校の校章は、前身校である桜商、志貴高、奈情商の伝統を受け継いでいます。中心の「玉杖」は、桜井市の茶臼山古墳出土品に由来し、古代の学びと文化創造の証であり、桜商の校章から継承されました。周囲の「ミツガシワ」は、大和平野に繁栄した生命力あふれる水草で、その五弁の花に「知・徳・体と創造力・実践力」の成長への願いが込められており、志貴高の校章から継承されました。奈情商では、これら二つの要素に加えて、桜井市の花である「山ざくら」で全体を囲むデザインを採用し、本校がこれをさらに発展させる形で継承しています。

校歌

校歌の作詞は大峯顕堯、作曲は奈良教育大学名誉教授の牧野英三が手掛けました。歌詞は2番構成で、学校名は含まれていません。

制服

制服は紺色のブレザーを基調とし、白いカッターシャツに男子はエンジ色のネクタイ、女子はエンジ色のリボンを着用します。

設置学科・課程

全日制課程に商業に関する学科を設置しており、定員は600名（募集人員200名）です。学科は以下の4つがあります。

会計科
情報ビジネス科
経営ビジネス科
* 総合ビジネス科

入学試験においては、これら4つの学科をまとめて「商業科」として募集するくくり募集を実施しています（特色選抜）。

教育実績

近年、難関とされる公認会計士試験において顕著な実績を上げています。2023年には、県内の高校で初めて公認会計士試験の短答式試験合格者を輩出し、2024年にも合格者を出しています。

アクセス

奈良県桜井市河西770番地に所在し、近鉄大阪線またはJR万葉まほろば線の桜井駅から南へ約1.5km（徒歩約20分）の場所に位置します。

関係者組織

本校には、学校運営に関する重要事項を協議する奈良県立商業高等学校学校運営協議会、前身校からの卒業生による同窓会組織「たまつえ会」、生徒の保護者による保護者会組織「育友会」などがあります。育友会は奈良県高等学校 PTA 協議会にも所属しています。

著名な出身者

前身校である桜井商業高校、志貴高校を含む著名な卒業生には、元プロ野球選手（東利夫、駒田徳広、田中宏和）、実業家（長尾一徳）、お笑い芸人（大上邦博）、作家・ゲームプロデューサー（豊田巧）などがいます。

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