奈良銀行

奈良銀行（ならぎんこう）

奈良銀行は、1953年から2006年まで存在した日本の第二地方銀行です。本店を奈良県奈良市に置き、シンボルマークには鹿を使用していました。

歴史

奈良銀行の前身は、1953年3月16日に設立された株式会社三栄相互銀行です。これは、当時の奈良県知事であった野村万作氏ら地元有志によって、県内唯一の相互銀行として設立されました。その後、1989年4月1日に普通銀行へ転換し、株式会社奈良銀行と商号を変更しました。

しかし、奈良県内には地元の南都銀行や、大阪に拠点を置く住友銀行・三和銀行など、多くの競合銀行が存在しており、奈良銀行のシェアはそれほど大きくはありませんでした。

2000年10月、大和銀行（現在：りそな銀行）が提唱する「スーパー・リージョナル・バンク」構想に賛同し、近畿大阪銀行とともに戦略的提携を締結しました。2001年12月には、上記の3行で大和銀ホールディングス（現在のりそなホールディングス）を設立し、経営統合を行いました。

経営統合当初の計画では、りそな銀行・近畿大阪銀行の奈良県内の営業拠点と奈良銀行を再編し、埼玉りそな銀行のような地域銀行として、2004年度に奈良りそな銀行を設立する予定でした。2003年7月22日には、勘定系システムを大和銀行のNEWTONシステムへ移行しましたが、同年5月に発生した「りそなショック」により、りそな銀行およびりそなホールディングスが国有化された影響で、奈良りそな銀行構想は凍結されました。

2004年6月には、代表取締役社長が創業家出身の野村正雄氏から、りそな銀行出身の上林義則氏に交代しました。同年10月には、りそな銀行との合併を発表し、店舗の統廃合が進められました。2003年時点では25店舗あったものが、2004年には16店舗に減少しました。そして、2006年1月1日にりそな銀行へ吸収合併され、法人格が消滅しました。

合併後

りそな銀行への吸収合併後、旧奈良銀行の本店は「新奈良営業部」に、旧大阪支店は桜川東支店に、旧橿原支店は橿原神宮前支店と改称されました。旧奈良銀行の全16店舗は、そのままりそな銀行の店舗として引き継がれました。

その後、桜川東支店は2006年6月16日に桜川支店に統合され、同年10月10日にはりそな銀行（旧あさひ銀行）奈良支店が新奈良営業部に統合されました。なお、新奈良営業部の所在地は奈良支店跡地に置かれました（その後、JR奈良駅前に移転）。

奈良銀行時代には、インターネットバンキングは提供されていませんでしたが、合併後にりそな銀行のシステム上で利用できるようになりました。

沿革

1953年（昭和28年）3月16日：株式会社三栄相互銀行設立
1989年（平成元年）4月1日：株式会社奈良銀行に商号変更
2001年（平成13年）12月12日：大和銀ホールディングス（現：りそなホールディングス）の完全子会社となる
2006年（平成18年）1月1日：りそな銀行に吸収合併され解散

関連項目

* 上村耕作（1893年設立の奈良銀行の元監査役）

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