奥アンツーカ

奥アンツーカ株式会社

日本の建設会社であり、特に陸上競技場、サッカー場、野球場、テニスコートといった多岐にわたるスポーツ施設の設計・建設・整備を専門としています。創業以来、革新的な技術や素材を国内に導入し、日本のスポーツ環境の発展に大きく貢献してきました。

沿革と歴史

奥アンツーカ株式会社の起源は、1928年に運動施設の建設を手がける専門企業「奥商会」として設立されたことに始まります。創業者である奥庚子彦は、フランスからアンツーカ土を日本に導入し、その国産化に成功しました。このアンツーカは、その後の日本のスポーツ施設建設において重要な素材となります。

創業初期から、同社は数々の重要なスポーツ施設建設に携わりました。1946年には第1回国民体育大会の競技場をシンダーで建設。1952年には明治神宮外苑陸上競技場の建設を手がけました。特に、1957年の第3回アジア競技大会に際しては、国立競技場のサブトラックや国立テニスコートの建設を担当。さらに、1962年には改良型アンツーカを用いて、1964年東京オリンピックのメイン会場となった国立競技場の走路建設という、国家的プロジェクトの一翼を担いました。この時期には、東南アジア諸国における多くの競技場建設にも貢献しています。また、スポーツ用天然芝の国内導入と普及にも力を注ぎました。

アンツーカ舗装における経験を活かしつつ、同社は新たな素材や技術の開発にも積極的に取り組みました。1958年には日本初となる地中灌水設備を開発し、グラウンド管理の効率化に貢献。1969年には、陸上競技場トラック舗装材として当時普及し始めていたウレタン素材を、いち早く純国産として開発しました。このウレタン舗装材は、後にテニスコートや競馬場スロープなど、様々なスポーツ施設への応用が進められました。1999年には、このトラック用ウレタン舗装材が国際陸上競技連盟（IAAF）の認証を取得し、その品質が国際的に認められます。

2000年代に入ると、同社は再び革新的な素材を日本に導入します。カナダの企業が開発した、世界初のロングパイル人工芝である「フィールドターフ」を国内に導入し、サッカー場などを中心に広く普及させました。その他にも、新世代の衝撃吸収フェンス（2003年）や表面遮熱コート（2004年）など、施設の安全性や快適性を高める技術開発を進めています。

近年の事業展開としては、建設・整備だけでなく、施設の維持管理や運営にも事業領域を広げています。2005年からは指定管理者制度に基づき、広島県総合グラウンドをはじめとする公共スポーツ施設の運営業務を開始。また、環境負荷低減にも配慮し、使用済み素材をリサイクルしてトラック舗装を再構築する「高速トラック」工法を2006年に開発しました。2007年には、同社が施工を手がけた大阪市の長居スタジアム（現・ヤンマースタジアム長居）が「世界陸上2007」の開催に際してIAAFクラス1の認定を受け、その高い技術力が改めて証明されました。

事業と技術

奥アンツーカは、創業以来培ってきたアンツーカ舗装技術に加え、ウレタン舗装、人工芝、天然芝など、多様な素材・工法に対応しています。設計から施工、そして完成後の維持管理、さらには指定管理者としての施設運営まで、スポーツ施設に関するトータルソリューションを提供しています。特に、陸上競技場のトラック舗装においては、IAAF認証を取得した高品質なウレタン舗装材を用いて、国内外のトップアスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を創り出しています。人工芝「フィールドターフ」は、天然芝に近い感触と高い耐久性を持ち、様々な球技場で採用されています。天然芝についても、独自の生産・管理技術を持ち、美しいターフを提供しています。

主な施工実績

日本を代表する数多くのスポーツ施設の建設・改修に携わっています。主な実績には、以下のようなものが挙げられます。

ヤンマースタジアム長居（長居陸上競技場）
東京ドーム
横浜スタジアム
福岡PayPayドーム
ヨドコウ桜スタジアム（長居球技場）
昭和電工ドーム大分（大分スポーツ公園総合競技場）

これらの実績は、野球場、サッカースタジアム、陸上競技場など、同社の幅広い対応力を示しています。

関連項目

日本の企業一覧 (建設)
日本の陸上競技の実業団の一覧

外部リンク

奥アンツーカ株式会社公式サイト
フィールドターフ公式サイト

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